1993 Fiscal Year Annual Research Report
タンガニイカ湖・琵琶湖両生態系の多様性、弾力性と環境変動
Project/Area Number |
04044088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川那部 浩哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NSHOMBO Mude ザイール国, ウビラ研究所, 研究員
MBOKO Sima K ザイール国, ウビラ研究所, 研究員
MULIMBWA Nsi ザイール国, ウビラ研究所, 研究員
成田 哲也 京都大学, 生態学研究センター, 助手 (40025440)
中西 正己 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (60025434)
遊磨 正秀 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (80240828)
竹門 康弘 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (50222104)
木下 泉 京都大学, 農学部, 助手 (60225000)
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Keywords | 生物群集 / 固有種 / 古い湖 / 安定性 / 多種共存機構 |
Research Abstract |
1993年度は当初計画に基づき、タンガニイカ湖および琵琶湖において、両生態系における特性を明らかにするために、潜水調査やサンプリングなどを中心とする野外調査を行った。 タンガニイカ湖における現地調査では、沿岸域で小規模な群れを作って生活している魚種に関してさまざまな種内・種間相互作用があること、底生動物食魚の存在がその餌となる底生動物の生活にある面でプラスの効果をもたらすこと、また沖合魚はかなりの沖合で産卵し、その稚魚は深所に生息していることなどが明らかになりつつある。なおこれらの現地調査は、当初計画では同湖北部で行う予定であったが、政治情勢により同湖南部に変更して行い、このことによりむしろ魚類相や地形の違いによって魚類群集の構造や種内・種間相互作用のあり方が異なる点が明らかになった。 一方琵琶湖における現地調査では、新たに入ってきて外来種は、在来種が利用していない資源を利用する種であるが故に現在の琵琶湖に定着しえたと考えられること、在来種の稚仔魚は降雨による一時的な増水によるヨシ帯付近での局所的な動物プランクトン群集構造の変化と対応した生活をしているらしいこと、などが明らかになりつつある。 これら二つの古い湖における生物群集の調査結果に基づき、環境変動による撹乱を受けた場合の生物群集の多様性・弾力性に関する比較を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Holi,M.,Gashugaza,M.&Kawanabw,H.: "Littoral fish communities in Lake Tanganyika." Conservation Biology. 7. 657-666 (1993)
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[Publications] Yuma,M.: "Food habits and foraging behaviour of benthivorous cichlid fishes." Env.Biol.Fish. (1994)
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[Publications] Mboko,S.: "Social behaviour and colour morphs in Tanganyikan cichlid fishes." J.Ethol. (in press). (1994)
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[Publications] 川那部浩哉・堀道雄編: "タンガニイカ湖の魚たち" 平凡社, 286 (1993)
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[Publications] 川那部浩哉・遊磨正秀編: "生態学からみた安定社会 多様性の維持と促進-タンガニイカ湖の魚類群集から-" (財)京都府ゼミナールハウス, 277 (1993)