1992 Fiscal Year Annual Research Report
細菌細胞のカチオンと共役する物質輸送系の構造と輸送機構
Project/Area Number |
04044122
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THOMAS H.Wil ハーバード大学, 医学部, 教授
富田 由妃 岡山大学, 薬学部, 助手 (10243487)
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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Keywords | 輸送機構 / カチオン共役 / 輸送系の構造 / 輸送制御 |
Research Abstract |
カチオン/基質共輸送系の一つであるメリビオース輸送系について,構造と輸送機構および輸送制御機構の関係を明らかにすべく解析を行い,以下のような成果を得た。 これまでに解析されている大腸菌,ネブミチフス菌,クレブジエラの他に,エンテロバクターとシトロバクターにもメリビオース輸送系が存在することを見い出した。これらの細菌のメリビオース輸送系におけるカチオン共役について解析し,その特徴を明らかにした。現在エンテロバクターとシトロバクターのメリビオース輸送系遺伝子melBのクローニングを行っている。 私達が構造を明らかにしすでに報告している大腸菌とネズミチフス菌のmelB遺伝子について,遺伝子操作などにより種々の変異体を作成し,メリビーオース輸送タンパク質のアミノ酸残基の置換と輸送機能の変化の関係を明らかにした。こうして,カチオン共役に重要なアミノ酸残基,基質認識に重要なアミノ酸残基などが明らかになった。また,12個の膜貫通領域の内,いくつかのものについて,構造上の特徴や機能上の役割を明らかにした。 ホスホトランスフェラーゼ系による輸送制御については,制御を受けなくなったいくつかのネズミチフス菌変異株を分離・解析し,この輸送制御には,メリビオース輸送系のC末端領域が特に重要であることを明らかにした。この領域のAsp438,Arg441,lle445の三つの残基が特に重要であることがわかった。また,この領域はα-ヘリックス構造を取り,これらの残基はその同じ面に存在することが示唆された。すなわち,制御因子であるファクターIIIは,このα-ヘリックスの一つの面から結合することにより輸送タンパく質の機能を制御するものと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kaori Mizushima: "Cloning and sequencing of the melB gene encoding the melibiose of Salmonella tvphimurium LT2" Mol Gen Genet. 234. 74-80 (1992)
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[Publications] Masayuki Kuroda: "Resistance of the melibiose carrier to inhibition by the phosphotransferase system due to substitutions of amino acid residues in the carrier of Salmonella typhimurium" The Journal of Biological Chemistry. 267. 18336-18341 (1992)
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[Publications] Takashi Kayahara: "Properties of recombinant cells capable of growing on serine without NhaB Na^+/H^+ antiporter in Escherichia coli" Journal of Bacteriology. 174. 7482-7485 (1992)