1992 Fiscal Year Annual Research Report
高機能高品質ソフトウェア構成におけるヒューマンプロセスの知的支援に関する研究
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04219204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 吉弘 京都大学, 工学部, 教授 (50219523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 匡 京都大学, 工学部, 助手 (30233274)
鰺坂 恒夫 京都大学, 工学部, 助教授 (30175864)
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Keywords | ソフトウェアプロセス / ソフトウェア設計 / 代数的仕様記述 / オブジェクト指向モデル / レフレクション / 抽象機械 |
Research Abstract |
本研究は、ソフトウェアシステムの中でも、その要求の論理が多元的であり、その意味領域が複雑であるものを対象としている。この場合、要求分析過程で観点の異なる複数のモデルが形成されることになり、これを統合してソフトウェアシステムへ変換する必要が生じる。 これに対して本研究では、今年度つぎのように研究をすすめた。 1.多元的要求を満たす意味モデルの記述法を研究し、さらに、多元的要求を統合した結果として形成されるべき統合モデル(メンタルモデル)にふさわしい検証可能モデルの記述方法や適合性について研究を行った。その結果,(1)並行エージェントモデル,(2)時次元を含むメンタルモデルを高レベル・ペトリネットで表し、その仕様を代数的に記述,検証する方法,(3)メンタルモデルを状態機械として表し、その振る舞いを含む代数的仕様の記述法,などを得た。 2.上記のメンタルモデルを代数的仕様で表したものに関して,パラメタライゼーション,輸入,輸出による仕様代数間の関連づけを行い、関連を関手によって表現し、関手を橋L(言語)によって記述した。関手と仕様代数から構成される網をPCTE(ECMA標準に準じたソフトウェア開発支援環境)のスキーマとして定義することによって,相互のナビゲーションを可能とした。これらの研究はさらに、PCTE上で関手の実行を可能とし、代数的仕様におけるプロトタイピングをPCTEの実行制御機構の上で実現する研究に今後展開される。 3.前年度から行っている,ソフトウェアエンジニアリング・デーテベースKyotoDBの研究,開発を続行し、自己反映的なヒューマンプロセス(ソフトウェア生産物表現に対する値付け操作に対するメタ)の実働,生産物表現が束縛されている値との間に存在する制約関係の維持管理,PCTEとの結合,などの研究をすすめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Mat s umo to: "Experiences from Software Reuse in Industrial Process Control Applications" 2nd Int'l Workshop on Software Reusability,Lucca,Italy [to appear]. (1993)
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[Publications] 鯵坂 恒夫: "ソフトウェア意味要素の再利用" 情報処理学会ソフトウェア再利用技術シンポジウム論文集. 73-82 (1992)
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[Publications] 沢田 篤史,鯵坂 恒夫,松本 吉弘: "ソフトウェア・プロセスの変化に適化するCASEアーキテクチャに関する代数的考察" 情報城理学会第45回全国大会. 3U-7. (1992)
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[Publications] 鯵坂 恒夫,松本 吉弘: "ソフトウェアエンジニアリング・データベース KyotoDBの設計と実現" 情報処理学会論文誌. 33巻・11号. 1402-1413 (1992)
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[Publications] V.Seppanen,Y.Matsumoto andT.Ajisaka: "Modeling of a Flexible Software Factory in KyotoDB" Future Databases '92,Advanced Database Research and Development Series. Vol.3. 383-390 (1992)