1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04235103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富田 眞治 京都大学, 工学部, 教授 (40026323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 敬 東京大学, 理学部, 助教授 (20238348)
田中 英彦 東京大学, 工学部, 教授 (60011102)
末吉 敏則 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00117136)
金田 悠紀夫 神戸大学, 工学部, 教授 (80107979)
天野 英晴 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60175932)
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Keywords | 超並列計算機 / 分散共有メモリ / キャッシユ・コヒーレンス制御 / RDT:Recursive Diagonal Torus / マルチキャスト / 入出力ネットワーク / ファイル・システム / HDTV |
Research Abstract |
本年度は,平成5年度までの研究成果を基に,超並列プロトタイプ・システムを実機として実装可能とするため,LSI,プリント基板,システム筐体の設計を行った.さらに,これと平行してシステムの妥当性を評価するための種々のシミュレーション実験や,入出力機構の開発を行った.以下に代表的な研究成果を示す. 1.超並列システムのキャッシュ一貫性制御方式の評価 ディレクトリ・ベースのキャッシュ一貫性制御法として提案した疑似フルマップ方式を,本重点領域研究の成果として提案した.Recursive Diagonal Torus(RDT)ネットワーク上に実装した場合の性能をシミュレーションにより評価した.その結果,ネットワークの階層構造を活用したマルチキャストや,ACK回収の効果により,フルマップ方式に比べ,約4倍の処理速度が得られた. また,マルチキャスト法として,LPRA(Local Precise Remote Approximate)法,SM(Single Map)法,ならびにLARP(Local Approximate Remote Precise)法を提案しその評価を行った.その結果,無駄なトラフィック軽減の観点から,宛先ノードが少ない場合にはSM法が有利で,宛先ノードが一定数を越すとLPRA法またはLARP法が有利になることが判明した.さらに,LPRA法とLARP法の優劣は,データのマッピングに強く依存することも判明した. 2.超並列システムの高速入出力システムの研究 入出力専用の高速ネットワークをRDTと独立に設け,仮想FIFOならびにLANを介して接続されたワークステーション群全体の広大なディスク領域を超並列計算機のファイルシステムとして提供する入出力サブシステムを提案した.さらに,仮想FIFOでHDTVを接続することでビジュアルな計算機環境を構築可能とした。 また,画像表示機構の実装に際しては,1画面のフレーム・メモリを16分割し並列計算機からの表示データ転送を分散並列的に行うことで,最大250MB/秒の転送速度を実現し,ハイビジョン画質の動画表示を可能とした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 富田眞治: "アップデ-ト形コヒーレンス制御方式の評価" 並列処理シンポジウムJSPP'94. 287-294 (1994)
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[Publications] 末吉敏則: "超並列計算機のための相互結合網シミュレータ" 情報処理学会誌. 35巻4号. 589-599 (1994)
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[Publications] 金田悠紀夫: "プライオリティ制御機構を有するOR並列Prologの分子系統樹作成への応用" 情報処理学会論文誌. 35巻4号. 658-665 (1994)
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[Publications] Susumu Horiguchi: "A Self-Reconfiguration Architecture for Mesh Arrays" IEEE International Workshop on Defect and Fault Tolerancr in VLSI Systems. 212-220 (1994)
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[Publications] 柴山 潔: "並列処理用C++クラスライブラリの設計" 電子情報通信学会論文誌D-I. J78巻2号. (1995)
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[Publications] 天野英晴: "超並列計算機用結合網:Recursive Diagonal Torus" 電子情報通信学会論文誌D-I. J78巻2号. (1995)