1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04240240
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
岡井 敏 工学院大学, 工学部, 教授 (90233303)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 高酸素圧合成 |
Research Abstract |
YBa_2Cu_3O_<7-y>を高酸素圧処理して得られるYBa_2Cu_3O_<7+y>の超伝導転移温度は0<y<0.7においてyとは無関係に92Kのまま一定であるので、その構造と物性の解明を主目的とする。まず酸素位置同定のため中性子線回析用試料を高酸素圧下で作成し、Los Alamos研究所のKweiに送付したが、はっきりした結果が得られなかった模様である。これは試料が完全に一相でなくBaO_2その他の異相が析出したこともその原因と思われたので、一相化につとめることになった。改善は二度の高圧処理を行うことによってなされ、上記BaO_2はこれで完全に消失する。但し再び小量のY_2Cu_4O_7、CuO等が析出するため、現在その更なる改良を検討中である。 高圧処理は無機材質研究所の装置を用いてなされるが、現在その使用ができず、平成5年5月再開のため、平成4年度はもっぱら高圧処理・高酸素圧処理用の各種試料の常圧合成をまとめて行った。それらはまずYBa_2Cu_3Oyとの開連において(Y,Pr)Ba_2Cu_3Oy,(La,Ba)_3Cu_3Oy,(Y,Ca)-Ba_2Cu_3Oy,(Nd,Ba)_3Cu_3Og,(Yb,Ca)(Ba,Sr)_2Cu_3Oyなどである。次にYBCOと同様、酸素の空格子点をもつ(Ln,Ce)_2(BaLn)_2Cu_3Oy(Ln:Nd,Sm,Eu)の試料も準備した。1-2-3構造のほかにこの構造でも酸素数変化と超伝導転移温度との関係を調べるのが目的である。 Tl化合物、Bi化合物と同様の構造をもち、稀土類イオンで代替しうる超伝導体が高圧で得られないか、との目論見で高圧処理用の種々の物質を常圧で作成しつつある。高圧では1-2-3,3-2-7構造でも常圧で合成されない組成のものが合成できることからこの計画を立てた。また超伝導体ではないが層状のLaBa_2Cu_2TaOyを中心とする物質系の研究も展開しつつある。
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Research Products
(1 results)