1992 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌プリンヌクレオチド生合成系制御蛋白質PurRの構造と機能
Project/Area Number |
04254207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三瓶 嚴一 東京大学, 理学部, 助手 (60215928)
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Keywords | DNA結合蛋白質 / プリンヌクレオチド生合成系 / Pur box |
Research Abstract |
本研究は大腸菌プリンヌクレオチド生合成系の制御因子であるDNA結合蛋白質PurRの構造と機能の関係を明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年度に引き続いてPurR蛋白質をコードするpurR遺伝子の発現制御機構の解析、さらにPruR蛋白質の効率の良い大量発現系を作成を行った。前者については、purR遺伝子中のPurboxがプリンヌクレオチド生合成系遺伝子の場合の比較して特異な位置に存在することから(プリンヌクレオチド生合成系遺伝子のPurboxがプロモーター近傍に存在するのに対して、purR遺伝子の場合は転写開始点の下流95bと183bに存在する)、purR遺伝子の自己制御が転写の開始の段階に働いているのか、それとも転写の伸長の段階に働いているのかを明らかにするために、ノザン・ハイブリダイゼーションにより転写産物の詳細な解析を行った。その結果、過剰のアデニンが存在する培地中で培養した菌より抽出したRNAは、アデニンが存在しない培地で培養した菌より抽出したRNAと比較してPurboxのところで転写がポーズしている転写産物をより多く含んでいることがわかった。このことは、制御が転写の伸長を阻害することによってなされていることを示唆する。後者については、2つのPurboxを部位化定変異導入法により破壊したpurR遺伝子を作製し、発現ベクターにクローニングすることに成功し、誘導によりpurR遺伝子産物が効率よく発現することを確認した。
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