1992 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの減数分裂組み換えを支配する遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
04262210
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山本 明彦 甲南大学, 理学部, 講師 (10210519)
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Keywords | mei-41 / ショウジョウバエ / 減数分裂 / 組み換え / DNA修復 |
Research Abstract |
mei-41遺伝子の分子遺伝学的解析のために修復欠損をマーカーとしてトランスポゾン・タギング法によってP因子挿入突然変異系統を作製しゲノムDNAの一部をクローン化した。これをプローブとして成虫から抽出したRNAをノーザンブロッティングしたところ、約7kbのシグナルが観察された。このシグナルは3令幼虫、蛹では見られない。トランスクリプトの検出されたゲノムDNA断片をプローブとした卵期、3令幼虫期、蛹期、成虫雌から作製したcDNAライブラリーの各々約20万クローンをスリーニングしたが現在のところ対応するクローンは得られていない。別に行ったfine structure mappingからmei-41遺伝子座の大きさは約30kbであること、またノーザンブロッティング解析の示す約7kbのmRNAからmei-41遺伝子はショウジョウバエでは大きい遺伝子のひとつである可能性が高い。P因子の挿入部位付近のプローブに対応するcDNAクローンが見つからないことはP因子の挿入がmRNAの5'付近もしくは上流領域である可能性が考えられる。現在ノーザンロッティングによるトランスクリプトの探索の範囲をP因子挿入部位を中心にさらに広げて行っている。 またmei-41遺伝子はSaccharomycesのRhoNUCタンパクと免疫的に相同と思われるDNA分解酵素の活性と密接に関係しているが別の遺伝子であることを我々は発見した。このDNA分解酵素の役割を調べるために遺伝的および分子遺伝学的アプローチで研究を進めている。前者ではmei-41とこの酵素の2重突然変異ではDNA修復欠損がマスクされるのではないかと予想してスクリーニングを行っている。後者ではRhoNUCタンパクに対する抗体を用いてショウジョウバエの発現ベクターに組み込まれたcDNAライブラリーのスクリーニングを行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.H.Yamamoto: "Evolution of Penicillin reacting proteins." Mem.Konan Univ.,Sci.Ser.39. 271-279 (1992)
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[Publications] A.H.Yamamoto: "Niche differentiation of drosophilids in Oiso,Japan." Mem.Konan Univ.,Sci.Ser.39. 287-299 (1992)
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[Publications] 山本 明彦: "Bethesda Research Laboratory 社製 Cell-Poratorを用いた電気穿孔法による大腸菌の形質転換" Mem.Konan Univ.,Sci Ser.39. 281-285 (1992)
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[Publications] A.H.Yamamoto,K.Muramatsu,T.Otsuka,M.-T.Yamamoto: "Meiotic mutations from natural popultions of Drosophila melanogaster." Genetica.