1992 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造から見たアミノアシルtRNA合成酵素のtRNA認識機構
Project/Area Number |
04272205
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
今野 美智子 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50114484)
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Keywords | イソロイシンtRNA合成酵素 / アルギニルtRNA合成酵素 / メチオニルtRNA合成酵素 / X線結晶構造解析法 |
Research Abstract |
アミノアシルtRNA合成酵素の単体とtRNAとの複合体の構造を比較することを最終目的としている。そのためには、両者の結晶を作成する必要がある。当初の予定通り、今年度は、太腸菌イソロイシルtRNA合成酵素、大腸菌アルギニルtRNA合成酵素及び好熱菌Thermus thermophilusHB_8メチオニルtRNA合成酵素の単体結晶の条件を検討した。特に、結晶化の基本的条件である飽和度の決定から実験を進めた。イオン化していない中性蛋白質の濃度を上げる手段として硫安クエン酸ナトリウムあるいはPEG6000を加えてpHを調節し、更にhanging clrop蒸気拡散法で添加物濃度、及び蛋白質濃度を徐々に濃縮する方法を取った。イソロイシルtRNA合成酵素については、結晶が析出する条件を得、更に種結晶法により約0.2mmの長さの結晶を得た。アルギニルtRNA合成酵素については、ヒゲ状の結晶を得た。メチオニルtRNA合成酵素については、二量体形成ドメインを除去した58KDaのアミノアシル化サブドメインとtRNA結合サブドメインを含む単量体を用いて結晶化の条件を検討した。その結果、以下の条件でX線回析に良好な結晶を得た。20℃で10mMDTTを含む100mMHEPES(pH7.5)緩衝液を用いて、蛋白質濃度10〜15mg/ml,5%(W/V)PEG6000の10μlのdropを、25%(W/V)PEG6000溶液1mlに対して平衝にし、3日後に得た棒状の結晶を種結晶として同じ条件で静置し、4日後に約0.5mmの長さの結晶を得た。プレセッション写真を撮影し、初期的結晶学的データを得た。斜方晶系、空間群PZ_12_12_1,a=82.4,b=117.0,c=57.0A,z=4で、非対称単位に1個の分子が存在する。高エネルギー物理学研究所のシンクロトロンをX線源として母結晶については、2.5Åの分解能の反射強度データと収集した。soaking法により得たK_2PtO_4の重原子誘導体は、反射強度パターンに変化が見られた。
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