1992 Fiscal Year Annual Research Report
軟弱地盤における地震動の増幅機構と被害の発生メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
04302041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東畑 郁生 東京大学, 工学部, 助教授 (20155500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 敏行 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (30147897)
風間 基樹 運輸省港湾技術研究所, 構造部, 研究員
大川 出 建設省建築研究所, 主任研究員
岩下 和義 埼玉大学, 工学部, 講師 (40203377)
石川 裕 清水建設, 技術研究所, 研究員
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Keywords | 地震動増幅 / 遠心載荷実験 / 数値計算 / 現地調査 / 常時微動 |
Research Abstract |
1.地震被害地の調査 1993年に入り、釧路市及び能登半島珠州市が地震に見舞われた。釧路市周辺の地震災害は、軟弱ピート層の沈下が上部盛土の変状をもたらした例、宅造地の盛土地盤が地震力によりすべった例、そして液状化が特徴的である。ピート層の場合、小さな谷地に堆積した小規模なものでもかなりな盛土液状を誘起した。地震直後に各地で常時微動を測定し、地盤剛性の指標を得る努力をした。 珠州市では、海浜砂州上の正院地区、そこから軟弱地盤地帯を隔てた丘陵の崖に被害が集中した。そこから1kmも離れない飯田地区ではかなり被害が軽微となり、その原因のついて詳しい調査を要する。調べた墓石の転倒率分布をもとに、振動の強さが、砂州上>軟弱地盤>丘陵の順であったのではないか、と考えている。2.沖積層による振動増幅機構について 従来の振動解析法では、表層における増幅を正しく評価できない。その理由として、1)振動する地盤の中では大きな慣性力が土粒子に作用するが、解析に用いる土の剛性は慣性力の影響を考慮しない実験で決定されてきた、2)地盤を要素に分けて解析する時、要素間境界で土の物性が不連続となり、地震波が不自然に反射されるの二点を想定している。前者は次年度に実験的な検証を要するが、後者は詳しい解析法を開発することによってすでに解明した。その結果によると、基盤から入射した地震波は減衰しつつも反射なしに地表に達し、表層が軟らかいほど激しい振動を起こす。 3.遠心模型実験 2項2)の考えを検証するため、遠心載荷装置中で振動実験を行った。結果は現在解析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 伯野 元彦: "建物及び土砂崩壊のシミュレーション分析" オペレーションズリサーチ. 38No.1. 5-11 (1993)
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[Publications] M.Kamiyama: "An Empirical Method for Identiying Non-Linear Soil Amplification of Strong Earthquake Motion" Proc.of 10th World Conf.on Earthquake Engineering. Vol.2. 979-984 (1992)
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[Publications] M.Kamiyama,M.J.O'Rourke,R.Flores-Berrones: "A Semi-Empirical Analysis of Strong-Motion Peaks in Terms of Seismic Source,Propagation path and local Site Conditions" Technical Report of National Center for Earthquake Engineeving Research. 93-05. 1-129 (1993)
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[Publications] T.Toshinawa and T.Ohmachi: "Ground Motion Simulation by Vsing Simplified Three-Dimensional Finite Element Method" Proceedings of the tenth World Conference on Earthquake Engineering. 2. 851-856 (1992)
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[Publications] Y.Sasaki,I.Towhata,K.Tokida,K.Yamada,H.Matsumoto,Y.Tamari and S.Saya: "Mechanism of Permanent Displacement of Ground Caused by Seismic Liquefaction" Soils and Foundations. Vol.32No.3. 79-96 (1992)
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[Publications] I.Towhata,Y.Sasaki,K.Tokida,H.Matsumoto,Y.Tamari and Yamada: "Predictlon of permanent Displacement of Liquefied ground by Means of Minimum Energy Principle" Soils and Foundations. Vol.32No.3. 97-116 (1992)
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[Publications] 伯野 元彦: "被害から学ぶ地震工学" 鹿島出版会, 155 (1992)