1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04304025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
見上 彪 東京大学, 農学部, 教授 (20091506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜田 宏 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10109506)
生田 和良 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (60127181)
小沼 操 北海道大学, 獣医学部, 教授 (70109510)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
長谷川 篤彦 東京大学, 農学部, 教授 (90011923)
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Keywords | ネコ免疫不全ウイルス / ヒト免疫不全ウイルス / サル免疫不全ウイルス / ウシ免疫不全ウイルス / キメラウイルス / 細胞親和性 / ネコCD4 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究目的は、各種動物由来レンチウイルスを分子生物学的観点から総合的に比較研究することにより、レンチウイルスに共通に見られる遺伝特性を明かにすると共に、その生体内での病原性の発現メカニズムを分子レベルで探ることにある。 1.サルに感染・発症させるヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)を作成する目的でサル免疫不全ウイルス(SIV)とHIV-1のキメラウイルスを構築し、生体内実験を行った。その結果、SIV MACのgagとHIV-1のenvを含むウイルスは基本的にはサルに対して抗体産生と末梢血単核球(PBMC)でのPCR陽性を惹起し、ウイルス再分離も可能であった。 2.ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は株間によりCRFK細胞への感染性が異なる。この細胞親和性の相異はウイルスのenvによって規定されていることが、キメラウイルスを用いた試験管内実験で明かとなった。又、CRFK細胞にネコCD4を発現させた後、CRFK細胞に対して非親和性FIVのTMI株を接種してもウイルスを増殖せず、さらに可溶化CD4とFIVenvは結合しないことから、ネコCD4は、FIVのレセプターとして機能していない可能性が示唆された。 3.ウシ免疫不全ウイルス(BIV)はウサギに感染が成立する。今回、PBMCのBIVに特異的なDNAを経時的に検出したところ、接種後5週間より検出され、BIVの病態を知る上で手掛かりが得られた。 4.FIV感染ネコのPBMCは、IL-2レセプター(IL-2R)を高率に発現した活性化状態にあったが、試験管内試験でのマイトジェン刺激に対する反応性は逆に低下した。培養細胞を用いた実験では、FIV接種によってIL-2Rの発現抑制およびIL-2に対する反応性の低下が認められ、更にFIV感染T細胞株がアポトーシスにより死滅した。またTNFによってFIV感染細胞が選択的にアポトーシスを起こした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Furuya,T.et al.: "Expression of feline immunodeficiency virus gag gene in Escherichia coli." Archives of Virology. 122. 383-390 (1992)
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[Publications] Furuya,T.et al.: "Detection of anti-gag antibodies of feline immunodeficiency virus in cat sera by enzyme-linked immunosorbent assay." Archives of Virology. 124. 355-361 (1992)
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[Publications] Kawaguchi,Y.et al.: "Replicative difference in early passaged feline brain cells among feline immunodeficiency virus isolates." Archives of Virology. 125. 347-354 (1992)
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[Publications] Maki,N.et al.: "Molecular characterization and helerogeneity of feline immunodeficiency virus isolates." Archives of Virology. 123. 29-45 (1992)
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[Publications] Matsuo,K.et al.: "Highly conserved epitope domain in major core protein p24 is structurally similar among human,simian,and feline immunodeficiency viruses." Journal of General Virology. 73. 2445-2450 (1992)
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[Publications] Nishio,Y.et al.: "Major core proteins,p24s,of human,simian,and feline immunodeficiency viruses are partly expressed on the surface of the virus-infected cells." Vaccine. 10. 677-683 (1992)