1992 Fiscal Year Annual Research Report
コンパクト型UHV送電の最適絶縁設計を可計を可能にする放電モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
04402028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 照哉 東京大学, 工学部, 教授 (30010705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 政邦 東京大学, 工学部, 助手 (20011140)
日高 邦彦 東京大学, 工学部, 助教授 (90181099)
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Keywords | UHV送電 / 絶縁設計 / 放電モデル / 炭酸ガスレーザ / レーザ生成プラズマ / 直流高電圧 / フラッシオーバ電圧 / 不平等電界 |
Research Abstract |
次期UHV送電の一つとして考えられているコンパクト型UHV送電方式において、信頼性の高い絶縁設計を行えるかどうかは、系統に生じる異常電圧に対する絶縁破壊強度の的確な予測にかかっており、これを実現するために放電の進展特性を正確に把握することが不可欠である。本年度の研究では、放電進展を予測できるモデルを構築するために、まず、パルスレーザ光照射による放電の制御法について研究を開始した。研究の進捗状況及び実験結果は以下の通りである。 1.パルスレーザ光源としては、レーザ照射時のプラズマ生成効率が高くなる遠赤外領域の波長をもち、更に3ジュール程度の高出力が得られるTEA型炭酸ガスレーザを採用した。放電ギャップの基本である棒対平板電極構成で発生する放電を対象として、レーザ光は平板電極に設けた穴を通過して、放電ギャップ中に集光された。放電ギャップ軸と平行に放電誘導用のプラズマを生成することに成功した。 2.平板電極を接地し、棒電極に直流高電圧を印加した。棒電極先端形状として、円錐端、半球端、球形のものを用いた。ギャップ長は、5〜40cmとし、また、レーザ生成プラズマチャンネルの長さは3〜4cmであった。 4.電極間にレーザ生成プラズマチャネルが存在すると、ギャップのフラッシオーバ電圧が低下する。特に、棒電極側に負極性電圧を印加した場合には、プラズマチャネルに沿った放電誘導が可能である。 5.プラズマチャネルを相対的に正極側になる電極付近に生成した場合に、最もフラッシオーバ電圧が低下する。また、正極側の電極の曲率半径は大きく、その部分でコロナ放電が発生しないときに、とくにフラッシオーバ電圧の低下が顕著であり、低下したフラッシオーバ電圧の絶対値は正極側の曲率半径に依存しなくなる。
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