1993 Fiscal Year Annual Research Report
国連の永久凍土利用による国際植物遺伝子銀行設立計画における種子貯蔵条件の基礎研究
Project/Area Number |
04405001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江刺 洋司 東北大学, 理学部・植物園, 教授 (40006002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 宏 東北大学, 理学部・生物学科, 助手 (10221128)
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Keywords | 遺伝子銀行 / 種子貯蔵 / 種子劣化 / 揮発性物質 / アルデヒド類 |
Research Abstract |
本年度の成果で特筆すべきことは、乾燥種子が貯蔵中に放出している揮発性成分の多くを、前年度に購入したガス濃縮機構付きのGC-MSを用いて同定し得たことである。この結果については投稿中であるが、種子は最も毒性の強い事が分かっているアルデヒド類を種子は15種も放出していること、この程度は寿命の短いもので(ニンジン等)大きく、長いもので(エンドウ等)小さいことから、種子の劣化とアルデヒド類の生成とが密接に関連していることが示唆された。特に、アセトアルデヒド同様に強い劣化誘導に働く3-メチルブタナールの放出が確認されたことの意味は大きい。また、全ての種子でこれらのアルデヒドは結合水しか残さないような12%という低い相対湿度(RH)の下でも生成された。自由水も存在し得る75%RHよりはその中間の湿度下での方が多量に生成された。しかし、気体として基質を与え、生産物をGCによって追跡する手法によって、アルコール脱水素酵素(ADH)の活性を測定したところ、この酵素は乾燥種子内でも活性を示し、しかもその活性は湿度の高まりと共に増大することが分かり、高湿度下での種子の速い劣化と低い湿度下での遅い劣化とは異なる過程で起っていることが判明した。尚、アルデヒド類に限らず、殆ど全ての種子由来の揮発性物質は乾燥種子内で大気中から供給される僅かの水分に基ずいて生成されたものであることを、RH調整に重水(D_2 O)を用いる実験で証明した。即ち、大部分の揮発性成分はDが入った分だけ、重くなっていた。アルデヒド類は脂質の酸化からも供給される可能性があったが、種子の劣化は無酸素条件下でも進むことから、この可能性は否定された。尚、ADH活性は液体窒素中では認められなかったが、-80℃下でも僅かに認められたことから、低温度低湿度下でも進行するような種子の劣化は、そこで生成されるアルデヒド類による可能性が明確となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Esashi他3名: "Possible mechanism of after-iysening in Xanthium Seeds." Physiologia plantaruna. 87. 359-364 (1993)
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[Publications] Y.Esashi他5名: "Eudogenously evolving gases during seed storage and their effects on seed longevity" Fifth International Workshop on Seeds.University pierre et Marie Curie出版. 3. 771-779 (1993)
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[Publications] M.Zhang他4名: "Evolution of volatile compounds by seeds during storage periods." Seed Science and Technology. 24. 359-373 (1993)
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[Publications] M.Zhang他4名: "A mechanism of seed deterioration in selation to the volatile compounds enohrad by seeds themselves." Seed Science Research. 4(印刷中). (1994)
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[Publications] R.Hasegawa他3名: "Possible involvement of ethylene-activated CAS in the regulation of cocklebur seed gerunination" Physilogia plantarum. 89(印刷中). (1994)
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[Publications] Y.Esashi他5名: "Possible involvement of volatile compounds in the after-ripening of cocklebur seeds." Physilogia plantarum. 89(印刷中). (1994)