1993 Fiscal Year Annual Research Report
東日本における農耕文化成立の研究-愛知県馬見塚遺跡の発掘調査-
Project/Area Number |
04451081
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
設楽 博己 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助手 (70206093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 豊弘 国立歴史民俗博物館, 助教授 (70145580)
永嶋 正春 国立歴史民俗博物館, 助教授 (50164421)
篠原 徹 国立歴史民俗博物館, 助教授 (80068915)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 教授 (20032708)
岩野 見司 東海学園女子短期大学, 教授 (40249298)
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Keywords | 馬見塚遺跡 / 植物遺存体 / 水洗選別作業 / 縄文晩期終末土器編年 / イネのプラントオパール / 農耕の開始 |
Research Abstract |
1.平成4年度に実施した、愛知県馬見塚遺跡の発掘調査で出土した遺物の整理作業、ならびにウォーターフローテーションによる、植物遺存体などの検出、分析のために持ち帰った土壌の水洗選別作業を行った。現在、出土遺物は水洗、注記をすべて終了し、実測作業が整理途中である。水洗選別は、とりあえず報告する必要のある、単位体積分の水洗作業を終了し、検出された植物遺存体などを、同定中である。分層発掘の結果、各層位に若干の混在はあるものの縄文晩期終末で器の編年を考えるうえで、良好な層位的資料を得ることができた。 2.発掘調査の際、関係機関に依頼して、周辺のボーリング調査、および発掘区トレンチ壁面の層位的土壌サンプルの採集を行ったが、それぞれの機関にて、分析が進められているところである。従来農耕の開始に疑問のもたれていた馬見塚式(縄文晩期終末)の土層から、イネのプラント・オパール(植物〓酸体)を検出した。 3.一宮市博物館に収蔵されている、昭和30年代、40年代に発掘された資料を、再吟味するために、数回博物館を訪問し、整理作業を行った。その結果、伊勢湾地方で、従来あまりよく分かっていなかった、縄文晩期終末土器の編年細別に対する一定の見通しを得た。
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