1993 Fiscal Year Annual Research Report
対応困難な家族に関する看護の分析を通して有効な家族看護モデルの開発とその検証
Project/Area Number |
04451125
|
Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
野嶋 佐由美 高知女子大学, 家政学部・看護学科, 教授 (00172792)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 礼子 日本赤十字看護大学, 助教授 (50189693)
宮田 留里 高知女子大学, 家政学部・看護学科, 講師 (00244773)
小迫 冨美恵 高知女子大学, 家政学部・看護学科, 講師 (40195706)
野中 綾美 高知女子大学, 家政学部・看護学科, 助教授 (90172361)
|
Keywords | 家族 / 対応困難 / アセスメント / 介入 |
Research Abstract |
対応困難な家族について、看護者に面接を行い、得られたデータを整理し質的分析を行った。ここでは、問題家族が有している特徴、看護者が用いるアセスメントと介入方法について焦点をあてて、得られた結果を論じる。 1.問題家族の特徴 看護者は、家族のエネルギー、家族境界、問題解決能力、患者の及ぼす否定的な影響などが現れた場合に、問題家族として捉える傾向が見られた。家族のエネルギーに関しては、[圧倒型家族][不動型家族]が、家族境界に関しては[境界強固型家族]が、家族の問題解決能力が欠如している場合として[問題内包型家族]が、そして、家庭が患者にとつて悪影響を及ぼす場合として[患者妨害型家族]が存在していた。 2.看護者によるアセスメント方法 アセスメント領域としては、【家族のアセスメント】【看護婦の有している資源のアセスメント】【介入に伴う負担のアセスメント】【看護婦の自我のアセスメント】の4つの領域が抽出された。 看護婦は、「病者を抱えている家族とはこのようなものである」という前提を有していた。看護者の有していた前提は、“普通の家族がすべての家族を代表している"“子どもの症状が安定してきたら家族も安定する"“入院してきたからには、家族は医療に協力して、看護者の言うことを聞いて当然"“家族は、看護者を頼る存在。看護者には、弱みを見せてくれることを期待している"“家族は子どものことをわかっていない。子どものことは看護者がわかっている"“家族は患者の病状の改善にとってふさわしい道を選ぶべきである。"などがあった。 アセスメントは、"普通の家族""望ましい家族""家族と自分との関係性""経験の名かで築いた家族パターン化""患者にとってのメリット・デメリット""看護者自身の患者への思い""家族に対する先入観""とまどい"の8つが抽出された。 3.看護者の介入方法 看護者は、[自己調製する][家族との間に距離を保つ][家族と患者の間荷立ちふさがる][家族と正面から戦う][看護者の望む方向に押し進める][家族に添う]という6つの介入方法をとっていた。
|