1992 Fiscal Year Annual Research Report
機械の設計・生産に関わる知識の体系化のための基礎研究
Project/Area Number |
04452126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 弘之 東京大学, 工学部, 教授 (20010689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐山 孝司 東京大学, 人工物工学研究センター, 講師 (10234402)
冨山 哲男 東京大学, 工学部, 助教授 (60197944)
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Research Abstract |
平成4年度の研究では、実際に行なわれている設計・生産活動の実験的観察を行ない、そこで得られた設計作業を構文解析の手法を用いて分析した。方法としては、設計・生産活動における設計者や生産作業者の行為をビデオテープやCADシステムを用いて記録し、これに出現する会話や、図面、作業の様子を用いてプロトコル分析を行なった。プロトコル分析では統計的手法や格文法に基づく言語解析手段を用いた。このような解析により、設計作業中の思考過程が明らかになった。また設計作業中のプロトコルから、計算機で操作可能な形で設計知識を自動的に獲得することを試みた。ここで自動的に収集できた知識は、設計対象に関する知識、すなわち設計対象の属性、構造、挙動、機能、評価、必要な仕様などに関する知識である。このような方法で収集した知識を設計プロセスに従って再利用することで、設計作業の再構成が可能になり、ひいては同様な設計作業を自動化することが可能になる。実際に新規性のある設計を行なっていくためには、設計対象そのものに関する知識以外に、そのような対象知識をどう利用して与えられた仕様から目的の設計結果を導くかという、設計プロセスに関する知識が必要である。設計プロセスに関する知識は設計作業のプロトコルの断片的な発話のなかには明示的に現れず、設計作業が全体としてどう進行していくかを分析しなければ得られない。このためには、プロトコルを一文ずつ分析していく構文解析の手法では十分でないことが次第に明らかになった。平成5年度の研究では設計プロセスに関する知識を体系化する方法を研究する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 梅田 靖・小池 雄一・佐藤 隆 冨山 哲男・吉川 弘之: "対象モデルに基づく定性物理を用いた故障診断" 精密工学会誌. 58No4. 720-726 (1992)
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[Publications] 武田 英明・冨山 哲男・吉川 弘之: "設計過程の計算可能モデルと設計シミュレーション" 人工知能学会誌. 7No5. 877-887 (1992)
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[Publications] 武田 英明・濱田 進・冨山 哲男・吉川 弘之: "設計実験における実験方法の検討と作図過程の分析" 精密工学会誌. 58No11. 1849-1854 (1992)
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[Publications] 下村 芳樹・梅田 靖・冨山 哲男・吉川 弘之: "事例推論の修復戦略への適用" 精密工学会誌. 59No1. 77-82 (1993)
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[Publications] T.Tomiyama,H.Hiroyuki,and T.Kiriyama: "Comceptual Design of Mechanisms:A Qualitative Physics Approach" “Concurrent Engineering:Automation,Tools,and Techniques"in A.Kusiak(ed.). 131-152 (1992)
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[Publications] T.Kiriyama,T.Tomiyama,and H.Hiroyuki: "Qualitative Reasoning in Conceptual Desingn with Physics Features" “Recent Advances in Qualitative Physics",in B.Faltings and P.Struss(eds.). 375-386 (1992)