1993 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス溶射材の力学的諸特性と環境強度に関する解析的検討
Project/Area Number |
04452286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 雅人 大阪大学, 工学部, 助教授 (20030059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 喜彦 大阪大学, 工学部, 教授 (20029044)
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Keywords | セラミックス / バナジウムアタック / 高温硫化腐食 |
Research Abstract |
セラミックス溶射材の環境強度について基礎的知見を得るために、バナジウムアタックおよび高温硫化腐食という2つの燃料油灰腐食を取り上げ、セラミックスに対するその腐食特性について検討した。バナジウムアタックについては、85wt%の五酸化バナジウムおよび15wt%の硫酸ナトリウムから成る合成灰の1073Kにおける塗布試験によって評価することとした。また、高温硫化腐食については、90wt%の硫酸ナトリウムおよび10wt%の塩化ナトリウムから成る合成灰の1073Kにおける塗布試験によって評価することとした。ZrO_2(3mol%Y_2O_3、PSZ)のセラミックスに対する腐食特性について、バナジウムアタック試験において腐食減量が顕著に認められた。走査型電子顕微鏡観察によればPSZの表面が著しく腐食しているのが認められ、その腐食は結晶粒自体が侵される本質的なものであると考えられる。試験時間が長くなると腐食減量は増加したが、これは、PSZの主成分と溶融塩との反応生成物が融液に溶けるために結果として連続的に侵食されるようになったためであると考えられる。高温硫化腐食については腐食減量は認められず、走査型電子顕微鏡観察によっても明らかな腐食の痕跡は認められなかった。このように、PSZは高温硫化腐食に対しては耐食性を示すことが明らかとなった。また、アルミナに対する高温硫化腐食も行い、高純度のものは耐食性は良好だが、低純度のものでは、粒界部に存在する結合材が選択的に侵食を受ける結果、耐食性は高純度のものに比べて劣化することが明らかとなった。
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