1994 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス溶射材の力学的諸特性と環境強度に関する解析的検討
Project/Area Number |
04452286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 雅人 大阪大学, 工学部, 助教授 (20030059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 善彦 大阪大学, 工学部, 教授 (20029044)
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Keywords | セラミックス / 溶射 / 腐食 |
Research Abstract |
セラミックス溶射材については、基材にSUS304オーステナイト系ステンレス鋼を用い、その上にプラズマ溶射を施したものを用いた。なお、基材には1373K、3.6×10^3s保持後水冷する溶体化処理を施し、さらに溶射のための前処理として、その表面をバフ研磨しさらに電解研磨をしてブラスト処理を施した。溶射については、Al_2O_3、ZrO_2-8%Y_2O_3、ZrO_2-25%CeO_2の大気溶射を行った。セラミックス溶射材の高温腐食特性の調査については、まず合成灰を試料上にのせて、電気炉中で高温保持した。その後、表面および断面のSEM観察を行い、同時にEDXにより元素分析を行った。なお、ここで用いた合成灰は、90%Na_2SO_4-10%NaClにV_2O_5を添加したものであり、V_2O_5の添加の割合を、10%、50%、80%と変化させた3種類のものを用意した。これら実験の結果、セラミック溶射材についてNa_2SO_4、V_2O_5環境ではZrO_2-8%Y_2O_3は激しく腐食するが、ZrO_2-25%CeO_2については、腐食はするもののその度合いが比較的穏やかであることがわかった。また、Al_2O_3大気溶射材をNiCrAlY下地減圧溶射材と比較することも行った。NiCrAlY下地溶射材では、溶射過程において生じた表面に存在する熱的な引張残留応力によって、耐応力腐食割れ性が劣化する。一方、Al_2O_3大気溶射材では、下地層の引張残留応力を緩和するために、下地のみに比べて強度は向上することがわかった。しかし、セラミックス層に存在する貫通気孔、き裂部において金属イオン濃淡電池を形成するために基材のみに比べて強度特性は劣化することが明らかとなった。
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