1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452288
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐伯 進 福井大学, 工学部, 助教授 (10143934)
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Keywords | 固ー液臨界点 / 結晶性高分子 / 融解点 / 状態方程式 / 高圧 |
Research Abstract |
[研究成果の概要]本年度(最終年度)においては、超高圧反応装置(最大圧15,000気圧、温度300℃)の製作を完了し、装置の試運転、特に最大圧及び温度の到達のチェック、圧力漏れのチェック、および結晶性高分子の高圧熱処理用セルの設計製作を行なった。 また高圧熱処理の温度ー圧力のプロセスの設定についても調べた。試料として、鎖状および分岐状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどを選び、それらのポリマーの状態方程式のデータをもとに、融点での結晶状態の比容V_<M,S>および非結晶状態の比容V_<M,L>の圧力依存性のデータからV_<M,S>=V_<M,L>となる温度と圧力を推定した(POLYMER,1992)。それによると鎖状および分技状ポリエチレンでは、V_<M,S>=V_<M,L>となる温度、圧力(固ー液臨界点)が計算上、見い出された。鎖状ポリエチレンでは、固ー液臨界点は400℃,14,400気圧にあり、分岐状ポリエチレンで200℃,3,300気圧となるが、ポリプロピレンでは、V_<M,L>/V_<M,S>=1.05(3,000気圧)が極小値となり、固ー液臨界点は見いだされなかった。 [今後の研究展開]超高圧反応装置を用い、まず市販の結晶性高分子試料(分岐状ポリエチレン)を室温、一気圧状態から、定圧で温度をデータから予想される固ー液臨界温度T_<M,C>以上に上げ、その後定温下で圧力を固ー液臨界圧力P_<M,C>以上にし、定圧下で温度を室温まで下げ、室温下で圧力を一気圧まで下げ試料Aを得る。一方Aと逆回りのプロセスで試料Bを得る。また、一定温度T(T<T_<M,C>)での加圧結晶化試料(試料C)、及び一定圧力P(P<P_<M.C>)での降温結晶化試料(試料D)を得る。 種種のプロセスで得られた結晶性高分子(試料A,B,C,D)の物性の違いを熱的(示差走査型熱量計)、力学的(引張試験機)、構造的(X線回折装置)に調査する。結晶性高分子のP-V-Tに関する実験データをデータベースをもとに収集し、それをもとにV_<M,S>、V_<M,L>をそれぞれ圧力の関数として求め、それからV_<M,S>=V_<M,L>となるP_<M,C>を推定する。また、融解圧力P_Mー融解温度T_Mの関係よりT_<M,C>を推定する
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Saeki,M.Tsubokawa J.Yamanaka and T,Yamaguchi: "Correlation between the equation of state and the pressure dependence of glass transition and melting temperatures in polymers and rare-gas solids" POLYMER. 33. 577-584 (1992)