1993 Fiscal Year Annual Research Report
酸素過剰な条件下で使用可能な窒素酸化物の選択還元触媒に関する研究
Project/Area Number |
04453083
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Research Institution | Waseda University. |
Principal Investigator |
菊地 英一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余語 克則 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40257217)
松田 剛 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10199804)
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Keywords | 一酸化窒素 / 二酸化窒素 / 選択還元 / ゼオライト / ガリウム / インジウム / メタン / 反応機構 |
Research Abstract |
NO還元反応の選択性の向上を目的として,種々の金属カチオン交換ゼオライトについて,NO還元反応に対する選択性を検討した。これまでの研究でC_3H_8及びC_2H_4を還元剤に用いた場合,Gaイオン交換ゼオライトではNOと炭化水素との反応が極めて高選択的に進むことを見い出した。また,Ga以外にもIn及びZnが比較的高い選択性を有することを示した。これらの交換カチオンはNO_Xセンサーに使用されていること及び種々のアルキル錯体を容易に生成することが知られていることから,本触媒の高選択性が高いNO_X(特にNO_2)と炭化水素の吸着能に起因すると考察した。また,これまでNOの還元はほとんど起こらないとされてきたCH_4及びC_2H_6を還元剤に用いても高選択的にNO還元が起こることを明らかにした。 次に反応機構について検討を行い,本触媒系の高選択性がGaとゼオライトの酸点の共存により発現すること及びNO_2が本反応を促進することを明らかにしており,NO酸化によるNO_2の生成にゼオライトの酸性が関与していることを示した。また、これらの触媒上での還元反応はNO_2の生成が第一段階であり,生成したNO_2とCH_4がゼオライト中の配位不飽和なGaあるいはIn上で高選択的に反応しN_2を生成することを示した。また非定常状態の解析により反応機構を詳細に検討し,本反応はNO_2とCH_4により生成した含窒素中間体と気相のNOあるいはNO_2との反応によりN_2を生成する機構を提唱している。 また本反応では共存水蒸気による反応の阻害が深刻な問題となるが,In=ZSM-5触媒は水蒸気存在下でも比較的高い活性を示すことを見いだしており,今後の展開が期待できる。
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