1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453137
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸茂 晋吾 名古屋大学, 農学部, 教授 (30023394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽鳥 眞 名古屋大学, 農学部, 助手 (50238036)
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Keywords | 花芽形成物質 / 花成ホルモン / 花成誘導 / 光周性 / 篩管液 / タバコ / 短日植物 / 短日処理 |
Research Abstract |
1.タバコ葉より単離された花芽形成物質の化学的性質の解明 単離された0.0002ppmという低濃度で花芽形成活性を示す分子量1000以下の低分子活性物質の化学的性質を解明するためには新たに3000枚のタバコ葉篩管液を採取して精製に努力したが、最終得量は約10μgに過ぎず、精密なスペクトル測定には至っていない。 2.タバコ葉滲出物中に含まれる新たな花芽形成物質の精製 低分子活性物質を得る際に、タバコ葉葉柄の切断面をあらかじめEDTA水溶液で浸漬処理してから滲出実験を行ったところ新たに高分子量の活性物質の存在が見出された。そこで改めて本高分子活性物質の精製の検討を開始した。TOYOPEARL HW-55Sを用いたゲル濾過カラムクロマトグラフィーで分子量2万数千と推定された。現在、精製を進行中である。 3.花芽形成活性が真の花成誘導活性か、または花芽促進活性かの精査 従来活性物質の単離には開花植物体から得た組織を用いる検定系を使っており、活性が誘導的、誘導的のいずれであるかは改めて精査する必要がある。我々はそのための生物検定系として、花成ホルモン存在の状況証拠とされている接木等の実験手法、また、非誘導の植物を材料とした組織培養法等が採用出来ないか検討を行った。その中で、光周期を感受するまでに成長したタバコ植物体から得た花を倍養材料としたin vitro系で、タバコ短日処理葉滲出物を培地へ投与したところ、花芽成形には至らなかったものの長日処理葉滲出物添加やサンプル無添加のコントロールではみられない特徴的な芽の生育が観察された。本in vitro系は当初目的のための生物検定系の候補として有望であり、更なる検討を行っている。
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