1992 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価アレニルヨウ素化合物の合成とヨードクライゼン転位反応に関する研究
Project/Area Number |
04453154
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 幸雄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20082977)
|
Keywords | クライゼン転位反応 / 超原子価 / アレニルヨウ素化合物 / プロパルギルシラン / ペルオキシヨージナン / 酸化反応 |
Research Abstract |
ごく最近著者らは、プロパルギルトリメチルシランと各種超原子価有機ヨウ素(III)化合物との反応により、これまで全く未知の新しい化合物である超原子価アレニルヨウ素(III)化合物の発生に成功するとともに、その還元的ヨード(III)クライゼン転位反応による芳香族化合物へのオルト位位置選択的プロパルギル化反応が容易に進行することを見出している。今回、超原子価ヨウ素(III)化合物の反応性を解明する研究の一環として、活性中間体と考えられる超原子価アレニルヨウ素(III)化合物を単離する目的で、ヨードキソロンにBF_3存在下1,3-bis(trimethylsilyl)-3-methyl-1-butyneを作用させたところ、予想外にアルキルペルオキシヨージナンが生成した。アルキルペルオキシヨージナンの生成機構は不明であるが、その構造はX線結晶解析により確認している。アルキルペルオキシヨージナンは有用な酸化剤となることが明らかになりつつあり、例えば、スルフィドのスルフォキシドやスルホンへの酸化反応、酸化的脱ジチオアセタール化反応、セレニドのセレノキシドへの酸化反応、ホスフィンのホスフィンオキシドへの酸化反応等に有効である。また、ベンジル位の酸化には特に有効であり、炭酸カリウム存在下カルボニル化合物が高収率で合成される。更に、アミンのイミンへの酸化反応も進行する。 また、p-メトキシアリールヨージナンとプロパルギルシランとの反応を実施し、p-メトキシ基に支配される芳香環へのイプソ位位置選択的プロパルギル化反応を開発すると共に、その反応機構をも解明することができた。なお、分子内超原子価ヨウ素(III)原子を制御因子とする三重結合の新しい位置選択的酸化反応の開発については現在検討中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masahito Ochiai: "A Stable Crystalline (Alkylperoxy)iodinane:1-(tert-Butylperoxy)-1,2-benziodoxol-3(1H)-one" J.Am.Chem.Soc.114. 6269-6270 (1992)
-
[Publications] Masahito Ochiai: "Ipso Selectivity in the Reductive Iodonio-Claisen Rearrangement of Allenyl(p-methoxyaryl)iodinanes" J.Chem.Soc.,Chem.Comm.15-16 (1992)