1993 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶X線解析による糖とアミノ酸間の基本的な分子認識様式の解明
Project/Area Number |
04453158
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
平山 令明 東海大学, 開発工学部, 教授 (70238393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 功 東海大学, 開発工学部, 助手 (60238524)
須田 斉 東海大学, 開発工学部, 講師 (70216472)
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Keywords | 単結晶X線解析 / 糖-アミノ酸相互作用 / 分子認識 / 分子力学計算 / 結晶化 |
Research Abstract |
1.糖とアミノ酸の複合体の単結晶調整および結晶学的検討 これまでの研究により、細胞接着に関与する糖やアミノ酸の種類は比較的限られている。今年度に複合体形成を試みた糖はD-グルコース.D-ガラクトース,D-マンノース,L-フコース,N-アセチル-D-グルコサミン,N-アセチル-D-ガラクトサミンおよびN-アセチルノイラミン酸であり、アミノ酸はグルタミン酸,アスパラギン酸,アスパラギン,グルタミン,アルギニンおよびグルタミン酸ナトリウムである。それらの間の複合体を水およびアルコール系から析出させることを試みた。溶解度を下げる方法として,蒸気拡散法およびバッチ法を試みた。温度勾配法も一部試みた。糖とアミノ酸の比は本年度は全て1:1とした。42通りの組み合わせから得られた単結晶が複合体であるかどうかを4軸型自動回析計で検討した。これまでに15種の組み合せについて,結晶学的に検討したが,いずれも複合体ではなく,各成分が個別に結晶したものであった。現在,残りの27種の結晶について回析実験を行っている。 2.アミノ酸の結晶化に及ぼす糖の影響 1で述べたように,複合体の結晶を得ることは現在のところまだ成功していない。しかし、一連の結晶化実験の結果,共存する糖がアミノ酸の結晶化に極めて大きな影響を与えることが分った。例えばガラクトーマ共存下でアスパラギンの結晶化を行うと 16.6mgのアスパラギンから最大で体積12.2mm^3の結晶が得られる。アスパラギンは一水和物で結晶し、その結晶(空間群P212121)の比重は1.54である。この数字から判断すると,水溶液中の全分子が一つの結晶を形成したことになる。調査した範囲ではこのような例は知られていない。現在追試をすると共にこの現象の濃度依存性を検討している。
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