1994 Fiscal Year Annual Research Report
微生物酵素を用いた未利用多糖類からの有用オリゴ糖の生産
Project/Area Number |
04454074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
冨田 房男 北海道大学, 農学部, 教授 (60217536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 学 北海道大学, 農学部, 助手 (00206567)
横田 篤 北海道大学, 農学部, 助教授 (50220554)
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Keywords | イヌリン / イヌロトリオース / イヌリナーゼ / イヌロビオース / レバン / ダイフラクトースアンハイドライドIV |
Research Abstract |
1.イヌリンからオリゴ糖生産:イヌロトリオース生成酵素の精製を行い、酵素化学的性質を解明した。本酵素はオリゴ糖生成型のエキソ型のイヌリナーゼで、イヌリンからイヌロテトラオース単位で分解を行い、イヌロテトラオースは本酵素によってさらにイヌロトリオースとフラクトースに分解されてゆく。その結果、最終的には、イヌリンはほとんどがイヌロトリオースに変換されて、高純度のイヌロトリオースの生産が達成されることがあきらかになった。このタイプのイヌリナーゼの精製は今回がはじめての報告例である。 2.DFAIII分解酵素は完全に精製することはできなかったが、菌体反応を利用して、DFAIIIからイヌロビオース生産が可能であることを示した。 3.レバンからのオリゴ糖生産:レバンからダイフラクトースアンハイドライドIV(DFAIV)を効率よく生産する菌のスクリーニングを行い、DFAIVと少量のフラクトースのみを生成するレバン分解酵素を生産する細菌を得た。本菌は16SrRNAの塩基配列などの結果からArthrobacter nicotinovorans SG9と同定された。レバン分解酵素の生産条件を検討し、DFAIV生産のための諸条件を検討した。 4.糖転移反応を用いるオリゴ糖生産:レバンビオース生成酵素を高濃度のイヌロビオースに作用させところ、糖転移生成物と思われる三糖が生成された。構造解析の結果、このオリゴ糖はイヌロビオースの還元末端側のフラクトース残基にβ2-6結合でフラクトースが1残基結合した新規三糖であることが分かった。このレバンビオース生成酵素生産菌はArthrobacter sp.MS12-12と同定された。
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Research Products
(1 results)