1994 Fiscal Year Annual Research Report
がん関連遺伝子の発現と放射線感受性の関連およびその癌治療への応用の可能性
Project/Area Number |
04454297
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 昇 東海大学, 医学部, 助手 (70218949)
玉井 好史 東海大学, 医学部, 助手 (90207225)
前澤 博 東海大学, 医学部, 講師 (00138653)
大泉 幸雄 東海大学, 医学部, 講師 (30024813)
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Keywords | がん関連遺伝子 / 放射線感受性 / 培養細胞 |
Research Abstract |
1.がん関連遺伝子発現を調べるための幾つかのマウス細胞株について、in vitroおよびin vivo放射線感受性を調べ、比較した。5種類の株のうちEMT-6株が最も放射線抵抗性(Do=2.5Gy)であった。他の株の感受性はFSa-II株ではDo=1.8Gy、3LL、FM3A、およびSCCVII株ではDo=1.3-1.4Gyであった。マウス移植腫瘍3LLとSCCVIIにおける30Gy照射後の腫瘍増殖遅延は同等であり、in vivoの感受性はin vitroの放射線感受性の程度と対応していた。 2.がん関連遺伝子としてc-mycとR-rasの細胞内発現をノーザンハイブリダイゼーションにより調べた。in vitro培養された細胞において、c-mycの発現は見られたが、R-rasの発現は検出できなかった。c-mycの発現量の多さは、細胞のin vitro放射線感受性と一致しなかった。H-ras、c-fos、p53について検索するためDNAプローブの作成を行った。これらがん関連遺伝子の発現の解析は今後の課題である。 3.正常およびSV40大型T抗原形質転換ケラチノサイトのin vitro放射線感受性を調べた。正常ケラチノサイトに比べ形質転換した細胞は放射線感受性が高く、正常細胞Do=1.3Gy、形質転換細胞Do=1.2Gyであった。用いた形質転換細胞では野生型p53の発現が抑制されている。最近の研究では、野生型p53は放射線照射後の細胞をG1期で休止させDNA損傷の回復に寄与するとの考えが提案されている。今回の結果はこの考えと矛盾しない。 4.今回の研究では、腫瘍の放射線感受性を予測するがん関連遺伝子を特定することはできなかった。腫瘍細胞におけるがん関連遺伝子のなかで、野生型p53の役割の解明が期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] C.Murayama: "Radiosensitization by a new potent nucleoside analog;1-(1',3',4'-trihydroxy-2'-butoxy)methy1-2-nitroimidazole(RP-343)." Int.J.of Radiation Oncology Biol.Physics..26. 433-443 (1993)
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[Publications] T.Sugawara: "TBI Parameters and relapse of acute leukemia." J.Jpn.Soc.Ther.Radiol.Oncol.,. 6. 107-114 (1994)
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[Publications] Y.Ohizumi: "Tumor control dose for microscopic lewis lung tumors and hypoxic radiosensitizer,RP-170." J.Jpn.Soc.Ther.Radiol.Oncol.,. 6. 217-223 (1994)