1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454322
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
横山 正義 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00075300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 真知子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40167416)
柳田 尚子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70239812)
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Keywords | 直流通電 / 完全房室ブロック作成 / 癌の局所治療 / 心房細動誘発 |
Research Abstract |
1.直流通電により電極周辺組織は急性懷死となる。20mAで通電を行うと、陽極、陰極の周辺が各10mmの直径で懷死となる。生体抵抗は、200〜300オームであった。このときの電圧は4〜5ボルトとなった。懷死と正常組織の間の境堺は明確であった。陽極周辺の懷死部分と陰極周辺の懷死部分の大きさはほゞ同じであった。 2.通電により陽極ではPHが2〜3に低下し、陰極ではPHが12〜13となった。強いPH変化が組織急性懷死の原因と考えられた。陽極からは塩素ガス、陰極からは酸素と水素ガスの生成を認めた。 3.電流値を上昇させれば、電圧値も上昇する。この関係はグラフ上は直線的であった。抵抗値は、電圧、電流が上昇すると相対的に低下した。一方、電流を低下させてゆくと、抵抗値は急上昇した。微少の電流をながすためにも、最低、1.5ボルトの電圧が必要であった。 4.生体に電流をながす安全性を確認するため、通電時の心電図変化を臨床的および実験的に検討した。通電により、ST・T部が著明に変化する。心拍数、P波にはほとんど影響しない。ST・T部の上昇、下降が、各誘導で著明にみられた。 5.右心房にジョセフソン4極リードを縫着し、心房筋に通電し、心房細動誘発をこころみた.2mA、5ボルトくらいで、心房細動は容易に誘発される。電極を心室にあてなければ、心室細動にはならない。心房細動発生に関しては、単極で行うより、双極で行った方が、有意差をもって、心房細動誘発が容易であった。単極で心房細動を誘発させる際、陽極使用のときと陰極使用のときとで、差はなかった。 6.心房壁に、陽極と陰極をあて、直流通電すると、容易に房室ブロックが発生した。陰極または、陽極周辺組織が、急性懷死となり、房室ブロックが発生した。房室結節が、通電により壊死となることが判明した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 足立 孝・横山 正義 ほか: "心外膜アプローチによる 房室ブロック作製法(用指法)に関する検討" 臨床胸部外科. 12. 408-409 (1992)
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[Publications] 足立 孝・横山 正義 ほか: "薬剤抵抗性心室頻拍に対する外科治療の補助 手段としてのArgon beam coagulator" 日心外会誌. 21. 525-528 (1992)
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[Publications] 横山 正義: "臨床における除細動器の役割" Clinical Engineering. 3. 80-88 (1992)
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[Publications] 横山 正義: "ペースメーカーの進歩" Clinical Engineering. 3. 518-525 (1992)
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[Publications] 横山 正義: "ペースメーカーのABC" Clinical Engineering. 3. 517- (1992)
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[Publications] 横山 正義: "ペースメーカー治療の合併症の予防" ハートナーシング. 5. 455-461 (1992)
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[Publications] 横山 正義: "心臓ペースメーカーの理解と生活" 文光堂・東京, 198 (1992)
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[Publications] 横山 正義: "心臓病を予防したい人へ" 東洋出版・東京, 99 (1992)