1993 Fiscal Year Annual Research Report
メルコックス・ローダミン法による辺縁漏洩試験法について
Project/Area Number |
04454479
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Research Institution | FUKUOKA DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
田村 尚治 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (30113129)
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Keywords | 辺縁漏洩 / コンポジットレジン修復 / メルコックス・ローダミン / 5級修復 / レジン浸透 |
Research Abstract |
5級規格窩洞コンポジットレジン修復にメルコックス・ローダミン法による辺縁漏洩試験を行うと、製品間に明らかな差が出たが、これは、エッチング処理や、コンポジットレジンの重合収縮の差ではなく、むしろプライマー、ボンデングシステムの違いによる。 窩洞周辺部よりの漏洩を観察するため、修復物中央で切断し、マルトーラップ鏡研磨した後顕微鏡下で見るとアーチファクトと思われるギャプは認めるものの、窩洞周辺部よりの亀裂から漏洩している像は認めなかった。SEM像では、亀裂にレジンが侵入して、複雑な様相を呈しているのが見られたが、これがメルコックス・ローダミンか、ボンヂングかの違いは解らなかった。 患者の了解を得た要抜去歯(第三大臼歯)に対し、製品間に明らかな漏洩の差が認められたコンポジットレジンを修復、1日以降に研磨、1週間以降にシリコーン印象を行い、レプリカを作成、表面をSEM観察した。シリコーン印象後、抜歯を行い、その日のうちに、根尖部をカルボセメントで封鎖し窩洞外0.5mm外をネイルエナメルで覆い、漏洩試験を行った。計画では、口腔内でメルコックスを滴下することにしていたが、技術的困難さと無圧下では、全く漏洩しなかった事より、抜歯後に漏洩試験を行った。硝酸で脱灰、レジン塊を取り出し観察した。抜去歯で漏洩の見られた製品には、すべてに漏洩が見られた。漏洩の見られなかった製品は、漏洩が見られなかったか、見られても中程度であった。口腔内で窩洞形成するに困難で、充填操作も難しく、ラバーダムさえ出来なかったことにもよると思われる。一般にコンポジットレジンは、吸水膨張して漏洩は減少すると信じられているが、修復1カ月後の抜歯例にも漏洩が認められた事より、確実な製品を使用して、確実な方法で修復することが大切である。SEMで見ると歯頚部の多くの亀裂にレジンが侵入して、複雑な様相を呈していた。
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Research Products
(1 results)