1993 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質の一次構造から三次構造を自動的に組立てる方法
Project/Area Number |
04455007
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 晃三 東京大学, 薬学部, 教授 (30012636)
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Keywords | 蛋白質 / 三次構造 / アミノ酸配列 / 超二次構造 / α / β蛋白質 / ドメイン / 原子座標 / アルゴリズム |
Research Abstract |
蛋白質の三次構造はそのアミノ酸配列によって決められる。蛋白質の折り畳みの過程は数ミリ秒と云う短い時間で終了してしまうので、幾何学的に可能なあらゆる組み合わせの構造を検討して、その中から最も安定な構造を選び出すのではなくて、ある限られた数の候補の部分的構造を組み合わせることによって、それらの調和した最適な構造が一つ選び出されるものと思われる。X線構造解析によってこれまでに蓄積されて来た蛋白質の三次構造をアミノ酸配列と比較すると、相同性が低いにも拘わらず、相互に非常に良く類似した三次構造が多いことが明らかとなった。それは蛋白質の三次構造の全体ではなく、ドメインと呼ばれる一部であることが多いのだが、αへリックス、βシート、ターン等の二次構造が相互に積み重なった様式のことで、超二次構造と呼ばれている。統計的な予測性に基づいて、最も単純な予測を行うと、all-α蛋白質では、βシートと予測される部分でもしばしばαヘリックスとなり、all-β蛋白質ではαヘリックスになると予測される部分でも逆平行βシートとなることが多い。α+β蛋白質でも同様なことが起こるが、α/β蛋白質では、比較的良く予測が実際の二次構造と一致することがわかってきた。そこで、先ず最初のステップとして、その蛋白質がα/β蛋白質であると仮定して折り畳んで見ることを考えた。アルゴリズムの詳細は省略するが、フラボチトクロームb5とエノラーゼという蛋白質についてシミュレーションを行い、Protein Data Bank中にある基本型の原子座標を用いて自動的に組立てるソフトウエアを作り、グラフィック・ディスプレイによって表示することに成功した。現在、20種類のα/β蛋白質について、それ自身の統計データを用いずに、常に第一位で正しい構造を見つけられるようにアルゴリズムを改良中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.NAGANO: "Automatic modeling of supersecondary structure from amino acid sequence" CAMSE'92 The 2nd International Conference & Exhibition on Computer Applications.L10-L10 (1992)
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[Publications] K.NAGANO: "Extension of the predicted 3-D ribosomal three-tRNA binding model" Int.Conf.on THE TRANSLATIONAL APPARATUS,Oct.31-Nov.5. 132-132 (1992)
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[Publications] K.NAGANO: "The side-by-side model of two tRNA molecules allowing the α-helical conformation of the nascent" Biochimie. 73. 947-960 (1991)
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[Publications] 長野晃三: "分子模型を利用したタンパク質高次構造の予測" バイオサイエンスとインダストリー. 49(3). 111-116 (1991)
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[Publications] K.NAGANO: "Predicted quaternary structure of hepatitis B Dane particle" Protein Engineering 2nd Int.Conf.,Kobe,Aug.20-25. 121-121 (1989)
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[Publications] K.NAGANO: "Prediction of three-dimensional model of Escherichia coli ribosomal RNA" J.Theor.Biol.134. 199-256 (1988)
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[Publications] K.NAGANO: "Methods in Protein Sequence Analysis" Birkhauser Verlag, 10 (1991)
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[Publications] K.NAGANO: "Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation" PLENUM Publishing Corporation, 82 (1989)