1993 Fiscal Year Annual Research Report
岩の不連続面のShear-Flow Coupling試験装置の開発
Project/Area Number |
04555151
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江崎 哲郎 九州大学, 工学部, 教授 (40038609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿田 光一 九州大学, 工学部, 助手 (50243902)
蒋 宇静 九州大学, 工学部, 講師 (50253498)
高橋 学 工業技術院地質調査所, 主任研究官
木村 強 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 主任研究員 (30161566)
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Keywords | 岩盤不連続面 / 変位履歴 / せん断応力 / ダイレ-ション / 透水係数 / せん断透水同時計測 |
Research Abstract |
本年も昨年に引き続き,岩盤不連続面のせん断透水特性に関する基礎的研究を行った。昨年設計試作したせん断箱に加えて新しくフロ-ポンプ装置を試作して以下の実験を行い,装置の機能を確認するとともに,多くの知見を得た。昨年は,現場で変位履歴を受けた自然の不連続面を用いてShear-Flow Coupling 実験を行ったが,現場採取のサンプルは確保できるせん断面積が一様でなく,数も限られていた。そこで本年度は,せん断面積も一様で,ある程度の再現性が期待できる縦120mm×横100mm×高さ80mmの直方体の花崗岩中に人工的に作成した不連続面に,変位履歴(せん断変位12mm,垂直応力5MPa)を与えたものを新たな試験体とみなし,その試験体を用いてShear-Flow Coupling実験を行った。そして,過去に行った履歴を与えていない人工的不連続面および自然の不連続面との比較を行った。今年の研究成果は以下に示す通りである。 (1)履歴を与えた不連続面では,履歴以下の垂直応力下のみならず全ての垂直応力下のにおいてピ-クは現れず,残留応力に達する。また,履歴を与えた不連続面と履歴のない不連続面の残留せん断応力はほぼ一致する。 (2)履歴を与えた不連続面に関して,せん断変位12mmまでは履歴のない不連続面に比べて全ての場合でダイレ-ションは小さくなっているが,せん断変位12mm以降はその限りではない。このことから,せん断変位12mmまでは明らかに変位履歴の影響を受けていることが分かる。 (3)履歴のない不連続面では,せん断初期において透水係数は少し減少した後,急激に1〜2オ-ダ-増加する。これに対し履歴を与えた不連続面では,せん断前より1〜1.5オ-ダ-透水係数が大きい,そして,せん断初期において透水係数はゆるやかに減少し,その後増加して一定値になるが,その増加量は履歴のない不連続面に比べて小さい。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 江崎哲郎,生貞幸治,中原和宏,木村強: "自然の不連続面のShear-Flow Coupling特性" 第9回岩の力学国内シンポジウム論文集. 9. 247-252 (1994)