1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557109
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築城 寿長 ダイワボウ, テクノステーション, 研究員
斉藤 寛 岡山大学, 薬学部, 教授 (20025711)
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Keywords | 変異原 / 分解 / 金属クロロフィリン / ヘテロサイクリックアミン / ポルフィリン担持樹脂 |
Research Abstract |
1.ヘテロサイクリックアミン変異原のクロロフィル誘導体による分解 2.加熱タンパク変異原について,金属クロロフィリン(Cu-クロリン,Fe-クロリン,およびメタルフリーのクロリン)による変異原活性の減少について調べた.その結果,Fe-クロリンによって,Trp-P-2の活性化体であるTrp-P-2(NHOH)の変異原性が強く抑制されることを見いだした.すなわち,Trp-P-2(NHOH)と等モルの30nMで50%活性が抑制された.そこで,反応混合液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析したところ,Trp-P-2(NHOH)がFe-クロリンの存在により速やかにTrp-P-2(NO)に変化することがわかった.Trp-P-2(NO)の変異原性はTrp-P-2(NHOH)の1/4であり、やはりFe-クロリンにより変異原性を阻害されることもわかった.さらに,Trp-P-2(NO)もFe-クロリンの存在により,分解が起ることを見出した. 3.発がん性化合物ベンツピレンの,ヘミンおよびクロロフィリンによる分解 4.多環性発癌物質ベンツピレンの変異原活性をヘミン及びクロロフィリンが阻害することは,我々がすでに研究報告してきたが,今回,発がん性に関する究極活性化体と言われるジオールエポキシ体について,ヘミン及びクロロフィリンが変異原性を阻害することを見いだした.その阻害機構を分光学的に調べたところ,ジオールエポキシド体の分解が促進されていることがわかった. 5.ポルフィリン担持樹脂による変異原分解 6.マンガン及び鉄-テトラキス(スルホフェニル)ポルフィリン担持イオン変換樹脂を触媒として用いた場合に、過酸化水素共存下の場合のみに、加熱タンパク変異原IQから赤色の化合物(IMAX=ca.520nm)を生じることがわかった.この赤色化合物は、HPLCお呼び分光光学的研究結果から判断するとIQが2分子結合した2量体であると推定された.また,同じく加熱タンパク変異原MeIQも,マンガン及び鉄-テトラキス(スキホフェニル)ポリフィリンの持つペルオキシダーゼ活性によって酸化され,変異原性が低減されることがわかった.
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