1992 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン分解能を有するX線スペクトロスコピー散乱トポグラフィ装置の開発
Project/Area Number |
04558016
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
近浦 吉則 九州工業大学, 工学部, 教授 (40016168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 芳文 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10206550)
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Keywords | X線散乱トポグラフィ / X線回折トポグラフィ / スペクトロスコピートポグラフィ / マイクロビーム / 放射光 |
Research Abstract |
結晶評価や結晶不整の研究手段として広く使われているX線回折トポグラフィは2つの欠点ー(1)観察対象は完全性の高い単結晶に限られる,(2)場所分解能は高々数μmである_をもつ。これに対して,本研究で開発しているX線散乱トポグラフィは観察対象の制限がなく,分解能の向上も原理的に可能である。X線回折トポグラフィがもつ原理的限界がない。本研究では,分解能の向上を,マイクロビームとX-Y走査法の採用により,はかっている。まず、実験室光源(封入管)の特性線では、線状焦点のX線をシリコン湾曲モノクロメータにより収束させ(収束角:約20分)、マイクロビームを作製した。焦点より98cmの位置で68μmの収束に成功した。この収束マイクロビームは,珪素鋼単結晶のように30分程度の方位分布をもつ単結晶では理想的ビームであることがわかった。このときの実験には既存の低分解能走査装置を用いた。一方,高精細走査装置は,0.01μmステップ,50mm走査幅をもつX-Y-Z走査システムならびに1秒ステップの試料-検出器のゴニオメータシステム(ロータリエンコーダー)の設計を完了し,研究室所属の工作工場で製作に入っている。走査装置は,広域走査と微小ステップ走査を両立させる必要から,3次元走査装置を2種組み合せた(3+3)次元走査とした。この部分の試作はすでに完了し,設計どおりの作動テスト結果を得た。分解能向上の試験をするため,既存の走査装置を高エネルギー物理学研究所(PF)に運び,実験を行ない,珪素鋼単結晶内の方位分布の測定をした。現在,これについては論文として取りまとめ中である。なお,スペクトロスコピー散乱トポグラフィについては,1992年7月マルセイユ(仏)で開かれた第1回ヨーロッパX線トポグラフィシンポジウムで発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ushigami,Y.Chikaura: "Dynamic Study of Secondary Recrys tallization of 3% Si-Fe by Synchrotron X-Radiatim Topography" J.Mater.Eng.13. 113-118 (1991)
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[Publications] Y.Suzuki,Y.Chikaura: "X-Ray Scattering Topographic Study of Lattice=Misma tched Compound Semicmdeiotor Heteroepitaxol Layer" J.Phys(D). (1993)
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[Publications] Y.Chikaura,Y.Suzuki: "X-Ray Reconstruction Topography to Observe Orientation Distribution in a Single Crystal" J.Appl.Cryst.(1993)
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[Publications] 近浦 吉則,田中 洋介,鈴木 芳文: "理工学基礎課程の力学" 東京教学社, 148 (1992)