1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04610070
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
小川 捷之 上智大学, 文学部, 教授 (30017727)
|
Keywords | 対人不安意識 / 対人関係質問票 / 因子分析的手法 |
Research Abstract |
1.対人不安に関する文献の収集及び整理。 対人関係質問票に関する過去の研究の整理と最近の対人不安に関する文献の収集を行い、研究すべき問題点について検討を行った。 2.対人関係質問票に関する10年間の比較研究 従来の対人恐怖症論を踏まえ、対人不安意識について親和性の高い青年期にある、個人の対人不安意識の過去10年間における変化を数量的に検討することを目的として、一般大学生432名に対して対人関係質問票を施行し、10年前に行われた結果(林洋一・小川捷之(1981):「対人意識尺度作成の試み」,横浜国立大学保健管理センター年報No.1.29-46)との比較をし、対人関係質問票の項目の妥当性及び信頼性の検討と、10年間における対人不安意識の変容について考察が行われた。その結果、因子分析的手法によって従来の12因子構造に変わる8因子構造を得た。全体として対人不安意識は増加しており、その悩みや不安の構造も質的に変容していた。 数量的に検討された対人不安意識構造の変化として注目すべき点として、神経症水準の対人恐怖者に特有の対人不安や対人緊張を示すと考えられる項目での有意な得点のていかが認められたこと。古典的な症者の訴えと思われる項目が削除されたこと。一般的な対人不安を形成する因子が独立して抽出されなかったことなどがあげられる。 なお、本研究は1992年の日本性格心理学会第1回大会にて発表された。現在、『心理臨床学研究』に投稿中である。
|