1993 Fiscal Year Annual Research Report
高年齢教員のアイデンティティー類型に関する調査研究-ライフコースの観点から-
Project/Area Number |
04610167
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 一生 福岡工業大学, 工学部, 教授 (00037029)
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Keywords | 高年齢教員 / アイデンティティー / ライフコース / 職業的社会化 / キャリア形成 / 教職教養 / 定年退職 / 高齢化社会 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に実施した福岡県と山口県における小中学校高年齢教員820名のアイデンティティーに関する質問紙調査結果のうち、アイデンティティーの類型化を試みる上でとくに必要と思われる項目について更に確かめ、その内容を深く理解するために、福岡市、久留米市、徳山市山口市内の小中学校教員32名(校長・教頭,教諭別、性別,51才〜55才,56才〜60才別に抽出)に対し面接調査を実施した。その結果、次の諸点を明らかに知ることができた。 1、学校経営・管理型に自己規定する校長・教頭のなかには、なお教育実線と生活・趣味の充実に分化して指向するものが多い。また教育実践型に自己規定する教諭のなかには、教育の民主化・教諭の地位向上以上に生活・趣味の充実に指向するものが多い。とくに後者への指向性は、小学校より中学校の教諭、さらに男性教諭より女性教諭に強い。また、女性教諭のなかには、少数ながら学校経営・管理を指向するものも見受けられる。 2、定年前退職を意識するものは、校長・教頭よりも教諭サイドに多いが、その理由に本人自身の健康とならんで職場の人間関係と個人の趣味や内面の充実をあげるものが、とりわけ女性教諭に強い。 3、専門的知識・技術の向上よりも自己の内面的充実や教養の向上を重視するものが多く、この場合、生涯学習の面からの切実性を指摘するものが女性教諭に多い。 4、教職への満足感について、「いちがいに言えない」とするもののなかには、個人的感慨の面よりも、他の職業と比較して教職の特性を相対的、客観的に把握している傾向が強い。 以上の諸点を考慮して、高年齢教員のアイデンティティー類型を「研究成果報告書」にまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)