1993 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシアにおける自由と正義についての思想史的研究
Project/Area Number |
04610240
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
仲手川 良雄 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30042675)
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Keywords | 自由 / 正義 / 比較史 |
Research Abstract |
本年度はそれまでおこなってきた自由を軸とする研究の延長線上において,さらにもう一つ正義の軸を加えて,この二つの軸によって視点を多元化しつつ,ギリシア思想史研究を進めてゆく方向がとられた。また研究を進めるうちこの方向にさらに比較史的視点を導入することの必要を感じ,そのための方法論的研究をおこなった。業績については, 1.平成4年3月比較法史学会大会において「比較史の可能性」と題する報告をおこなったが,その後それを加筆修正しておもにヨーロッパと日本とにおける自由を中心において,同題の論文を『Historia Juris比較法史研究』に発表した。 2.古代ギリシアにおいて放縦な自由によって滅びたとしてアリストテレスなどによって言及されているメガラの民主政を,テオグニスその他の史料によって可能な限り明らかにしつつ,ソロンとの思想史的関連を探求した。この論文は未発表だが,『Historia Jures』に掲載が決定している。 3.平成4年5月日本西洋史学会において「ペロポネソス戦争における二つの正義」と題する研究発表をおこなったが,その後これを大巾に修正,加筆して英文にし,伝統ある古代史専門国際誌Klioに投稿し,受容された。
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