1993 Fiscal Year Annual Research Report
弥生時代・大陸系磨製石器の編年網の作製と地域間の比較研究
Project/Area Number |
04610246
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Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
下條 信行 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20091233)
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Keywords | 大陸系磨製石器 / 西日本 / 弥生時代 / 石庖丁 / 太形蛤刃石斧 / 柱状片刃石斧 / 扁平片刃石斧 / 鑿状片刃石斧 |
Research Abstract |
今年度は、関西と東海地方を主な研究対象地域とした。その結果、これらの地域の大陸系磨製石器の出現は、北部九州より遅れ、弥生前期後年に始まり、その形態も大陸のオリジナルなものではなく、日本、特に北部九州や東北部九州で日本的に変容した形態のものが伝わったものであることが明らかになった。そして、前期末から中期初頭には、九州や瀬戸内とは異なる形態の大陸系磨製石器が生まれて、地域性をこの段階に明確にして行く。石庖丁や柱状片刃石斧の特徴はまた関西と東海では異なっており、この両地域も中期には地域色を異にしている。以上の成果に分析済みの九州や瀬戸内の成果を合わせ考慮すると、日本の大陸系磨製石器は縄文晩期後半から弥生前期初頭の第一段階、弥生前期中頃の第二段階、弥生前期終末の第三段階、弥生中期の第四段階の四段階を経て展開しており、中期には北部九州(第一地帯)、東北部九州(第二地帯)、瀬戸内(第三地帯)、関西(第四地帯)、東海(第五地帯)の五地帯に分かれた地域性をもつようになることが判明した。
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