アパルトヘイト廃止後の南ア憲法体制の研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04620017
• Research Institution: Asahi University
• Principal Investigator: 中原 精一 朝日大学, 法学部, 教授 (30070618)
• Keywords: アパルトヘイト / 制憲会議 / 総選挙 / 南アフリカ共和国 / ANC / 復興計画 / 憲法 / 人種協調

Research Abstract

平成6年4月(1994年4月)に.南アフリカは.新しい憲法を制定するために.制憲議会の発足をめざして.総選挙が実施された。この選挙では.全人工の65%を占めるアフリカ人が、はじめて投票権を行使した重要な選挙であった。全世界も選挙の結果を注目していたが、これまでアパルトヘイト体制に反対してきたANCが議席の過半数を獲得した。しかし、単独で憲法制定権を行使できる3分の2以上の議席には達しなかった。これから人種協調社会を建設していくには、この結果は穏当であったとみられる。
この状況とその後の復興計画の推移をみるのが.本年度研究の第一の課題であった.このことについては.法学セミナーなどの雑誌にも報告した。本年度研究の第二の課題は本年度がこの研究の最終年にあたるので、これまでの3年間の研究成果をまとめることであった。この成果は本年3月までに出版予定の「南アフリカ憲法略史」でまとめることにした。
南アフリカが1909年イギリス連邦の自治国として最初の憲法を制定して以来、80年以上に及ぶ人種差別のアパルトヘイト体制を支えてきた.憲法が1994年に人種協調社会をつくりあげる憲法に大きく転換した時代の推移をこの研究は展開してきた。今後とも一層の研究を深める努力をしていきたいと思う.

Research Products

• [Publications] 中原精一: "南アフリカに真の「協調」謳う新時代" 国会画報. 36巻2号. 46-49 (1994)
• [Publications] 中原精一: "アフリカにおける宗教と法律" 朝日法学論集. 第12号. 33-61 (1994)
• [Publications] 中原精一: "南アフリカ憲法史の夜明け" 法学セミナー. 39巻8号. 64-67 (1994)