1993 Fiscal Year Annual Research Report
「政党支持なし」層の投票行動と政治不信に関する研究
Project/Area Number |
04620038
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Research Institution | TOYO EIWA WOMENHS UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 愛治 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (40188280)
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Keywords | 投票行動 / 政治不信 / 選挙 / 政党支持 / 無党派層 / 政治意識 / 新党 / 政界再編 |
Research Abstract |
研究初年度(平成4年度)には、同年7月の参議院選挙の前後に横浜市において有権者1,000名に対し郵送法による世論調査を行い、横浜市民を対象に一般有権者の政治不信と政党離れの意識いついて調査した。本年度(平成5年度)は、前年の郵送調査における「政党支持なし」の回答者を深層面接法により追跡調査する予定であった。しかし平成5年の政治状況は、国民の政治不信、特に既成政党に対する不信感が更に高まり、政党離れがいっそう進行した。平成5年6月の宮沢内閣不信任案成立後、自民党から新生党、新党さきがけが分裂し、同年7月18日の衆議院総選挙の結果、昭和30年の自民党結党以来初めて政権交代が起こった。 この新党(新生党、新党さきがけ、日本新党)の出現と政界再編の状況下では、小数の「政党支持なし」の有権者の深層面接よりも、一般有権者を対象に従来と異なった投票行動をとる心理的メカニズムを広範に探ることの方が重要性が高いと判断し、研究計画を変更して、総選挙の前後にパネル方式の電話世論調査を実施した。 有権者の政治不信、政党離れが急激に進む状況の中で、「政党支持なし」層の役割はかつてなかったほど重要になり、それに呼応するように3新党が総選挙では躍進して、政権交代が起こった。上述の電話調査の結果からは、3新党の支持者はどの新党に対しても好意的な感情を持っており、相互に支持する傾向が見られるが、逆に既存の伝統的な自民党と社会党に対しては冷淡な態度が見られ、既存の政党離れが進んだことが明らかになった。さらに、「政党支持なし」層の存在が、92年の参議院選挙に続いて、93年の総選挙の際にも確認されたが、この積極的な「政党支持なし」層が必ずしも新党の支持に回ったとは言い切れず、単純な構造ではないことが分かった。今後、本調査のデータ分析を更に進めていく所存である。
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Research Products
(1 results)