1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04630075
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Research Institution | RYUKOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片岡 信之 龍谷大学, 経営学部, 教授 (20081143)
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Keywords | 大正 / 日本経営学 / 経営学史 |
Research Abstract |
1.大正期の経営学、商業関連文献を丹念にほりおこしてゆく過程で、これまでまったく言及されてこなかった諸文献を発見できた。従来、常識的、通説的に言われてきていた「戦前日本の経営学への影響の主力はドイツ経営学だ」とする見解がいかに実態と異った皮相的なものであったかが確認され、アメリカ経営学の大正期における怒濤的流入の重要性を看過しえないことが明らかとなった。この点をすすめてゆくと、通説の大幅な見直しにつながるものと思われる。 2.日本経営学史の通説では、日本経営学の成立は大正15年の日本経営学会の設立をもってメルクマールとするというものであった。しかし、上記の資料収集によって発見された新資料によって、もっと早い時期(大正半ば頃まで)に日本の経営学が成立したと見なしてよいことが明らかになった。この点でも、通説は見直されねばならないであろう。 以上の2点を中心として、平成6年度には『日本経営学史(大正編)-日本経営学の誕生』を書きおろし、大正期全般にわたる経営学誕生のプロセスを明らかにしたい。(この書は先に刊行した『日本経営学史序説-明治期商業諸学から経営学の胎動へ』分眞堂、1990年の続刊としての意義と位置づけをもつものである)。 4.上記研究の一部を概略的に提示した業績は後記するところであるが、本格的叙述は、上の3で述べた書をまたねばならない。
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