1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640235
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 正幸 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (70136034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 公一 徳島大学, 総合科学部, 助手 (90219890)
奥山 廣 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (80035310)
石原 徹 徳島大学, 総合科学部, 教授 (80035328)
亀高 惟倫 徳島大学, 総合科学部, 教授 (00047218)
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Keywords | 漸近解析 / 特異摂動問題 / 反応拡散系 / 界面形成 |
Research Abstract |
我々は、当研究課題名の下に、対象を主として反応拡散系の特異摂動問題に選んだが、特異摂動変化問題や、線形の移流方程式の特異摂動問題、保存則問題なども考虜に入れて研究を進めた。主題は、解の空間的パターンの形成および時間的推移を捕らえる事であるが、具体的には、上の特異摂動問題とその極限問題を漸近的な方法で解析するには、どの様な数学的方法が有効であるか調べていくことにあった。これに関して、以下のごとき成果を得た(ただし、本年度内に出版物の形での公表には至らなかった)。 1。発展の初期段階では、解の確率論的な表現方法による解析が有効である。一般に後に界面が形成されるような空間パターンの場合、最大値原理に基づくアプローチは領域全体での比較関数の構成の因難さから期待できないが、確率論による表現では部分領域ごとの考察にも絶えうる。 2。界面の形成につぎその推移を考察するには、幾つもの数学的な方法が補完しあわなければならない。問題が変分法による定式化ができる場合はその特異摂動極限問題との対応および後者の解析を関数解析的方法で調べられる場合がある。しかしこの場合界面の動きそのものを見ることは出来ない、これを見るには、特異摂動展開により、界面およびその運動方程式を取り出す。この運動方程式の解析では、解の存在では粘性解の概念が有効な場合があるが挙動に関しては、さらに極限変分問題の定常問題やその幾何学的な解釈も参考にしなければならない。これらの状況では実解析を含む関数解析の方法が重要である。 最後に、我々は、以上の解析法に一貫して応用可能な新モデル問題の構成ができなかった。これは今後の課題である。
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