1994 Fiscal Year Annual Research Report
量子色力学とスキルミオンを持つ低エネルギー有効理論
Project/Area Number |
04640290
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沢田 昭二 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昭三 新潟大学, 教育学部, 教授 (10018822)
斎藤 栄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (40022694)
安野 愈 名古屋大学, 理学部, 教授 (30022544)
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Keywords | スキルム模型 / 湯川相互作用問題 / カイラル・ソリトン / QCD / 非相対論的クォーク模型 |
Research Abstract |
本年度は、これまで3年間の研究成果について代表者と分担者が集まってまとめの討論を行った。 さらに、沢田は重いクォークを含む重粒子とカイラルソリトンとの関連について考察を進めた。これと関連して重いクォークの有効理論に基づいてB及びD中間子の崩壊現象を研究した。また、QCDにおいて、カラー自由度N_Cが大きいとするとき有効性を発揮する1/N_C展開法に基づく整合性条件を用いて、重粒子のカイラル・ソリトン模型と非相対論的クォーク模型との関連を研究した。主な結果は、SU(4)およびSU(6)対称な非相対論的クォーク模型とSU(2)およびSU(3)対称なカイラル・ソリトン模型におけるF/D比を1/N_C展開の任意の次数において求めた。軸性ベクトルのバリオン頂点のF/D比は模型に無関係にすべて/3になる。 一般に、バリオンの軸性ベクトルの頂点に対する1/N_C補正には二つの起源があり、一つはバリオンの状態の1/N_C補正であり、もう一つは頂点の演算子の1/N_C補正である.SU(2f)対称な非相対論的クォーク模型ではN_C依存性はバリオン状態にあって演算子にはない。他方、カイラル・ソリトン模型では、演算子がN_C依存性を持ち、波動関数はSU(2)模型の場合には1/N_C補正を持たないが,SU(3)模型では1/N_C補正を持つ。 非相対論的クォーク模型における1/N_C展開と対照的にSU(3)カイラル・ソリトン模型の1/N_C展開は現実の1/N_C=1/3のときには収束しない。SU(3)カイラル・ソリトン模型の1/N_C展開が収束するためにはN_Cは8以上でなくてはならない。 斎藤は、サイン・ゴルドン系を用いて、二つのソリトン間のポテンシャルにおける非静的効果を研究した。また、スキルム模型に基づいて核子の電磁的偏極を求めて成果を論文にまとめた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Saito et al.: "Non-static EFFect on the Two-Soliton Potential Examined in the sine-Gordon Laboratory." Prog.Theor.Phys.91. 507-519 (1994)
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[Publications] S.Saito et al.: "Recalculation of Electromagnetic Polarizabilities of the Nucleonin the Skyrme Model." Phys.Lett.325B. 20-26 (1994)
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[Publications] T.B.Suzuki et al.: "Semileptonic Decays of B Meson into Charmed Higher Resonances in the Heavy Quark Effective Theory." Prog.Theor.Phys.91. 757-774 (1994)
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[Publications] A.Takamura et al.: "The F/D Ratios of Spin-Flip Baryon Vertex in 1/N_C Expansion." Prog.Theor.Phys.93(発表予定). (1995)