1993 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビームを応用したCFRP-セラミックハイブリッド材の開発と機械的性質の評価
Project/Area Number |
04650069
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
村上 理一 徳島大学, 工学部, 教授 (00112235)
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Keywords | イオンビーム / 金属メッキ / セラミック膜 / 密着強度 / 引張強度 / 曲げ強度 / 摩擦係数 |
Research Abstract |
炭素繊維強化複合材料の成形する際にタルク剤をポリエーテルイミドに混入させてCFRPを成形した。その後,メッキ浴に入れ,まずCuメッキを施し,その上にCrメッキを行した。このCu-Cr膜にダイナミックミキシング法によりNイオンを1KVの加速電圧で注入した。このようにして作製した試料を加熱温度60,90,120及び150℃で30分間保持し,空冷した。メッキ膜の硬さはNイオン注入の有無によらず,最表面近傍で約4000であり,内部に入るにつれて次第に減少した。しかし0.5μm内部での硬さはCFRPそのものより高い。メッキ膜の密着強度は加熱温度が90℃のときに最大となり,それより温度が高くても低くても密着強度が低下する。密着強度は荷重速度及びテーブル速度に依存して変化した。 メッキ膜の残留応力をひずみゲージによって測定すると,表面では引張残留応力となっていた。この残留応力は加熱温度が120℃のとき最大となった。Nイオン注入膜では,Nイオン注入の際,150℃まで加熱されているために室温でも高い引張残留応力を示した。この表面での引張残留応力の存在は界面近傍で圧縮残留応力の存在を示唆する。この残留応力が密着強度の向上に寄与している。引張強さ及び曲げ強さはメッキ膜の被覆により7〜11%向上した。しかし,摩擦係数はCFRP単体が約0.1であるのに対しメッキ膜では0.8程度であった。ボールの摩耗量も約100倍増加した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 村上理一: "HIP処理によるチタン酸カリウムウィスカー強化銅基複合材の機械的特性" 日本機械学会第70期通常総会講演論文集. 930-9. 4-6 (1993)
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[Publications] 村上理一: "HIP処理したチタン酸カリウムウィスカー強化銅基複合材料の摩耗特性について" 日本機械学会第71期全国大会講演論文集. 930-63. 144-146 (1993)
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[Publications] 村上理一: "CFRPにメッキした金属膜の密着強度と強度特性" 日本材料学会第43期学術講演会. (予定). (1994)