1992 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス対金属の摩擦・摩耗機構と焼付き過程監視システムの研究
Project/Area Number |
04650125
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久門 輝正 群馬大学, 工学部, 教授 (20029060)
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Keywords | アコースティックエミッション計数率 / 反射光量比 / 比摩耗量 / インプロセス計測 / 微細条痕の平均断面積 / 焼付き過程 / 摩耗粉の排出割合 / 非接触表面粗さ測定器 |
Research Abstract |
摩耗面の微細おうとつなどの幾何学的形状の突起同士の接触による変化やセラミックス摩耗面上のマイクロクラックの発生状況をアコースティックエミッション(AE)と摩耗面からの反射光量比の変化をインプロセスで計測し,さらに摩耗機構と焼付き状態に至る過程を監視できるようなシステムの確立を研究目的としている。4種類のセラミックディスク(SiC,Si_3N_4,Al_2O_3,ZrO_2)と3種類の純金属ピン(Ag,Cu,W)を組合せ、無潤滑と潤滑(オレイン酸中)状態で摩擦摩耗試験し,AE計数率と反射光量比(非接触表面粗さ測定器)をインプロセス計測して次のような結果が得られた。 (1)潤滑剤をピンとディスクの間に介在させた方が,無潤滑のときよりもAE伝達特性が向上する。 (2)金属ピン摩耗面に軟らかい反応生成膜が生じる場合,弾性ひずみエネルギーを多く蓄えられないため,反応生成膜自体が摩擦,摩耗してもAEは検出されにくい。 (3)潤滑状態では摩耗面の微細条痕の平均断面積Sp/nが増加するほどAE計数率も増大し,また比摩耗量も増大する。 (4)無潤滑状態ではセラミックディスクの摩耗粒子を取り込むようなCuとWピンはAE計数率が増加するほどピンの比摩耗量は減少する。一方,AgピンはAE計数率が増加するほどピンの比摩耗量は増大する。 (5)潤滑状態では階段的に垂直荷重を増加させたときの焼付き過程で真実接触点の数が減少することと潤滑被膜のAE伝達率の減少のためにAE計数率は減少する。また,AE計数率は摩耗粉の排出割合αbの増加とともに増大する。 (6)セラミックディスクの反射率や移着粒子の大きさによって反射率が異なるため反射光量比が変化する。しかし,組合せる材質を決めれば,反射光量比が増加するほどセラミックディスクの比摩耗量が増大する。したがって,反射光量比を非接触表面粗さ測定器で測定し,インプロセスで摩耗過程を監視できる。
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Research Products
(1 results)