1992 Fiscal Year Annual Research Report
発展的分散環境における意味・機能記述に基づく識別法を重視した名前管理方式の研究
Project/Area Number |
04650305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古宇田 フミ子 東京大学, 工学部, 教務職員 (40158895)
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Keywords | 意味や機能の記述(記述名) / 発展的な分散環境 / 名前解決 / 利用者インターフェイスの記述形式 |
Research Abstract |
本研究は、発展的な分散環境において、資源の持つ意味や機能の記述により資源利用を可能とする分散名前管理方式の構成法を探ることを目的とする。換言すれば、一般利用者が、資源の持つ意味や機能の記述を用いて、能動的に分散環境に働きかけることで、従来実現されていなかった問題点、即ち、遠隔地にある計算機に有用な処理機能が新たに追加された時、これを容易に知る手段が無いため、分散処理システムの特徴を活かし切れず、高価な装置を死蔵させてしまうような問題点を解決させるような新しい名前管理法を作ることにある。 この実現のために、1.計算機資源の機能記述の意味を解析し、その意味構造を明確化することで、記述表現の構造を確定する。2.この新しい名前体系を持つ名前管理方式のプロトタイプを現有LAN上に実装を試み、3.分散システムでの使用実験と評価を行なう、という手順を踏む。 本年度は、意味や機能を持つ名前の表現法について、理論上の解明に重点を置いた。現段階では、以下の点が明らかになっている。 プロトタイプを構成するための例として、計算機資源の持つ機能等を説明する(英文)マニュアルの説明文を観察、調査し、そこで用いられていた意味や機能要素を統語や語彙の面から検討した。これを文法と意味の観点から分類し、記述文の基本要素には、状況の型(動作の種類)、関与者、周囲環境の説明の3種類から成り、各々要素がそれぞれに各種の要素により限定されている、という入れ子形式の意味形式を持つことが分かった。 今後は、上記の意味構造を基に、利用者インターフェイスの形式を決め、従来手法とは異なる、この意味記述に向いた名前解決方式の構成法の論理的解明と意味を考慮した記述の名前解決アルゴリズムの設計を行い、これらの実装、評価へと展開する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fumiko KOUDA: "Representation of Descriptive Name and the Resolution Method with a Semantic Network Structure" Journal of Information Processing. 15. 280-292 (1992)
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[Publications] 古宇田 フミ子: "Meaning used in the descriptive names for computer resources" 情報処理学会第45回全国大会. 45. 3-87-3-88 (1992)
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[Publications] 古宇田 フミ子: "記述名における意味要素間の依存関係表現法" 情報処理学会第46回全国大会. 46. 3-39-3-40 (1993)