1994 Fiscal Year Annual Research Report
発展的分散環境における意味・機能記述に基づく識別法を重視した名前管理方式の研究
Project/Area Number |
04650305
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
古宇田 フミ子 東京大学, 工学部, 助手 (40158895)
|
Keywords | 記述名 / 利用者向き記述名表現法 / 記述名の名前管理 |
Research Abstract |
本年度の当初計画では、1.記述表現法や問い合わせ法を実現させるための記述名の名前管理構造の具体的設計、2.記述名の名前管理の面からの評価、3.分散処理への拡張法、の実現を目指していた。 1.に関しては、記述名の名前管理構造の設計法として、利用者インターフェース部、提案した利用者向き記述表現法から内部構造への構文解析と字句解析処理、逆方向の組立処理、名前解決処理、名前解決を行なうための情報ベース、他ホストとの問い合わせ管理部、等からなる構成法を示した。このうち、利用者インターフェースについては、前年度までに行なってきた利用者向き記述表現法の考察を精密化した。この記述法は、(1)記述の意味に基づいて構成され、(2)利用者にとって用いる記号の種類が少なく、しかも自由な組合せで、必要な項目だけを記述すればよいような記述法であり、(3)構造の特徴として、andとorの接続を混ぜた記述が可能、動作記述に関する再帰的な記述(文法では、関係代名詞や不定詞等の記述に対応する)が可能である等の特徴がある。また、疑問文や平叙文に対応する記述が可能である。利用者向き記述表現法から内部構造への構文解析と字句解析処理については、lexやyaccを利用し、意味を考慮した構成を行なっている。 今後の展開としては、残された課題の実現を目指す。即ち、本年度までに未完成である名前解決処理や、名前解決用情報ベースの構成法を考察し、プロトタイプを作る。分散処理への拡張法については、本年ISとなったODP(開放型分散処理の標準化)を参考として、前年度にCD段階であったODPを利用して部分的に構成した名前管理方式の見直しを行ない、より完全なものとして、再提案する。この構成法を小さなシステムに実装して幾つかの評価を行ない、発展的分散環境において記述名使用の有効性を示す予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 古宇田フミ子: "利用者向き記述名表現法の名前管理向き表現への変換" 情報処理学会第50回全国大会. Vol.50. (1995)
-
[Publications] Fumiko Kouda: "A New Notation of User-Friendly Descriptive Names" Proceedings of The 9th Internal Conference on Information Networking. 493-498 (1994)
-
[Publications] 古宇田フミ子: "記述名の利用者向き表現に対応した記述名管理のための情報構造構成法に関する考察" 情報処理学会「マルチメディアと分散処理ワークショップ」. 279-288 (1994)
-
[Publications] 古宇田フミ子: "利用者向き記述名表現を支援する名前解決の管理構成法に関する考察" 電子情報通信学会1994年秋季大会(情報・システム). D. 97-97 (1994)
-
[Publications] 古宇田フミ子: "記述名名前管理の役割と基本機能" 情報処理学会 第64回システムソフトウェアとオペレーティング・システム 第65回マルチメディア通信と分散処理 合同研究会. Vol.94. 49-54 (1994)