1992 Fiscal Year Annual Research Report
シビック・トラスト型の環境デザイン手法に関する研究
Project/Area Number |
04650548
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 幸夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20159081)
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Keywords | シビック・トラスト / まちづくり / 環境デザイン / 都市デザイン / 歴史的環境 / 保全 |
Research Abstract |
本年度の研究によってわが国におけるシビック・トラスト型のまちづくり団体はいくつかの類型に分類することができることが明らかになった。 第一に運動の目的別にみて単一目的型と多目的型の2つに分けられる。単一目的型は自然保護、歴史的環境保全を目的としたものが大半で、多目的型は地域文化の振興、地域の活性化など地域に関連する抽象的な目的をあげるものが大部分であった。 第二に運動の対象地によって単一地域型と広範活動型の2つに分けられる。これは単一目的型と多目的型の分類とは必ずしも一致せず、むしろ運動の初期に単一地域型であったものが運動の展開とともに広範活動型へと変化してゆく傾向がみられた。 第三に行政との関連では要望型と協調型、無関係型の3つに分けられる。このほか反対型の運動も一部には存在するが、シビック・トラスト型の定義上その数は限られていた。ただし、行政と是々非々の関係を有している団体において少数ながら反対のケースがみられた。予想に反して無関係型が過半数であり、行政との関係は補助金の交付が最も多かった。協調型の大部分は行政主導で結成された団体であり、その意味では御用組合的な色彩もあるが、むしろ当初の行政主導から成長して自主的な活動団体に育っている例も大都市には少なからずみられる。 また、運動団体結成のきっかけは非常に多様で、一般化は不可能であった。団体の規模は50〜200人が最も多く、女性よりも男性の方が圧倒的に多かった。大都市には主婦を中心としたグループもみられるが少数派であった。また、既存の自治会組織と摩擦を生じるケースが多く報告されており、いかにシビック・トラスト型のまちづくり団体を在来の自治会と共存させてゆくかが今後の大きな課題として浮かび上がってきた。
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Research Products
(1 results)