1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650610
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小池 一男 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (30006035)
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Keywords | 一価銅電解 / 微細銅粉 / 導電塗料 |
Research Abstract |
本研究では微細な電解銅粉の製造を目標にして、主として電解液組成と電流密度を変化させて電解を行ない、電析した銅粉は洗浄、表面処理、真空乾燥をした後、篩わけ、粒度分布測定、SEM観察等を行なった。 第一銅イオンを安定に存在させるための電解液として、本実験では主としてCuCl-NaCl-HCl系溶液について行なった。 実験結果を要約すると以下の通りである。 電解液中のCu濃度を変化させて電解し、電析銅粉(T法)の篩い別けで325mesh以下になった銅粉の割合を調べたところ、電解液中のCu濃度が高くなるにつれて、-325mesh率は下がる傾向があるが、Cuが10g/l以下では-325mesh率は90%を超えている。電流密度による影響はCuは10g/l以下ではあまり相違はないが、Cu濃度が高くなるにつれて-325mesh率に差が出て、電流密度が高いほど-325mesh率も高い。 本研究費で購入した自動粒度分布測定装置によって銅粉の粒径を測定した。多少のばらつきはあるが、電解液中のCu濃度が高くなるにつれて析出銅粉の粒径は大きくなる傾向が示されるが、およそ2〜4ミクロンであった。尚、本研究において特徴的なことは、同じCu濃度、電流密度において実験したCuSO_4-H_2SO_4系電解浴の場合よりも、析出銅粉の粒径は相対的に細かいことが見出されたことである。これは塩化物浴の場合、過剰の塩素イオンのため銅はCuCl_2^-等の錯体になっていることに起因していることが一つの要因であると考えられる。
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