1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650612
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 成子 東京大学, 工学部, 助手 (40217849)
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Keywords | 熱力学 / 塩基性酸化物 / 生成自由エネルギー / MgO / フラックス / アルカリ土類金属 |
Research Abstract |
鉄鋼製錬用フラックスとして種々の塩基性酸化物が使われており、その生成自由エネルギーなどの熱力学データは既に確立されたと考えられていた。最近、これらのデータの信頼性に疑問が出されたため、本研究では、鉄鋼製錬に用いられる塩基性酸化物のうち、BaO、SrO、MgO、Na_2Oの生成自由エネルギーの測定を行い、これまでに得られている測定値と比較を行うことを目的とし、第一年度はMgOの生成自由エネルギーの測定を行った。 MgO坩堝中に固体のニオブ薄片(10mm×20mm×0.3mm)を入れ、これに溶融Mgおよび固体MgOを接触させ、鉄坩堝内に封入し、所定温度に保った電気炉内で平衡させる。反応はMg(l)+O_<in Nb>=MgO(S)で表される。溶融Mg中にMgOはほとんど溶解しないので、Mgの活量は1となる。ニオブ中酸素は十分に希薄でHenry則が成り立つので、ニオブ中の酸素濃度をマグネシウムの融点以上の温度で測定することにより、この反応の生成自由エネルギーを求めることができる。この値と、研究者のグループにより既に測定したニオブ中への酸素の溶解反応(1/2O_2=O_<in Nb>)の自由エネルギーを用いることにより、MgOの生成自由エネルギー(Mg(l)+1/2O_2(g)=MgO(s))を求めることができる。 973〜1323Kで測定を行い、Mg中の酸素濃度は0.011〜0.019mass%の範囲にあり、この反応の生成自由エネルギーとしてΔG^。=-657,000+141T J/molを得た。これは本測定温度範囲では、熱量測定から求めたJANAF Tableの値より15〜22kJ/mol小さい。
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Research Products
(1 results)