1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650654
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
若松 良徳 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50039111)
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Keywords | TiCコーティング / 炭素鋼 / Pb-Ti融液浸漬法 / 被覆条件 / 皮膜厚さ |
Research Abstract |
炭素鋼の場合、内部からC原子が供給されるので、表面からTiを拡散浸透すると、その表面にTiC皮膜が得られる。また、PbはFeと反応せず、Pb融液へのFeの溶解も少ないので、Pb-Ti融液中で加熱すると、Tiだけを炭素鋼に拡散浸透させることができる。本研究では、このような観点からPb-Ti融液による炭素鋼へのTiC被覆を試み、今年度はTiC皮膜の作製条件について検討した。すなわち、Tiを0.1〜5mass%含有する1073〜1373KのPb融液中でS15C,S25C,S35C,S45C,S55CおよびSK5試料を3.6〜90ks加熱し、その表面に形成するTiC皮膜の厚さを調べた。得られた結果は次の通りである。 1.Pb融液のTi含有量について…0.1mass%程度のTi含有量でもTiC皮膜が得られるが、TiC皮膜の厚さはTi含有量が多いほど厚い。しかし、Ti含有量が多すぎると、TiC皮膜の上にTi_2PbC層が形成するので、Pb融液のTi含有量は1mass%程度が良い。 2.炭素鋼のC含有量について…0.2mass%程度のC含有量でもTiC皮膜は得られる。しかし、TiC皮膜の厚さはC含有量が多いほど厚い。 3.加熱温度について…1100K程度の低温でもTiC皮膜は得られる。しかし、TiC皮膜の圧さは加熱温度が高いほど厚い。良好なTiC皮膜を短時間の加熱で得るためには、1300〜1400Kの加熱温度が必要である。 4.加熱時間について…TiC皮膜の厚さは加熱時間の平方根に比例して増大する。
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