1992 Fiscal Year Annual Research Report
^<29>Si NMRによる固体状態における含ケイ素高分子の構造研究
Project/Area Number |
04650815
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
高山 俊夫 神奈川大学, 工学部, 助手 (50078333)
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Keywords | 含ケイ素ポリマー / 液晶材料 / 温度可変固体高分解能 NMR / 緩和時間 / 分子運動 / 分子軌道法 / 構造解析 |
Research Abstract |
研究課題の目的は,固体状態における含ケイ素ポリマーの構造および分子運動の解析を行うために,温度可変固体高分解能^<29>Si NMRの測定とその化学シフトを理論的(分子軌道法)に解明することであった。本年度は更に深く幅広く解明するために次のような研究を実施した。 1.新規含ケイ素ポリマーの合成 (1)剛直な基(テトラメチル-p-シルフェニレンシロキサン)を有するポリジメチルシロキサンの合成に成功した。(2)長鎖-n-飽和アルキル基(n-C_<10>H_<21>,n-C_<12>H_<25>,n-C_<14>H_<29>,n-C_<18>H_<37>)を有するジ置換ポリシランの合成に成功した。(3)長鎖-n-不飽和アルキル基(n-C_<18>H_<36>)を有するジ置換ポリシランの合成に成功した。 ポリマーはJEOL α-500 NMRにて同定した。 2.温度可変固体高分解能^<29>Si NMRの測定 JEOL EX-270WB NMRを用いて,広い温度範囲にわたって^<29>Si NMRスペクトル及び緩和時間の測定から,構造及び分子運動の解明を行った。その結果,(1)の場合低温において柔軟性,高温では剛直性の性質が発揮されることが分かった(J.Mol.Struct.,271(1992)75〜87)。(2)の場合低温において結晶性,室温では側鎖の融解により非晶性となることが分かった。液晶材料として期待される(発表:第41回高分子年次大会,第31回NMR討論会)。(3)の場合低温においても結晶化せず広い温度範囲で非晶状態であることが分かった。大変ユニークな性質が望まれる(発表:第41回高分子討論会)。 3.量子化学法(FPT-CNDO/2 MO)による化学シフトの計算 2.で得られた^<29>Si NMR化学シフトをより深く理解するために,モデル化合物を想定して^<29>Si-化学シフトの理論計算を行った。置換n-アルキル基が長くなると,低磁場シフトする実測の化学シフトの傾向を再現していた。
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Research Products
(1 results)