1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660095
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鈴木 春男 北里大学, 医学部, 助教授 (10090432)
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Keywords | VIP / 自己抗体 / 触媒能 / ペプチダーゼ / 抗体酵素 |
Research Abstract |
ヒトVIP自己抗体が、VIPを配列特異的に分解することが知られている。ペプチド結合を配列特異的に切断する抗体が得られれば、医薬の開発や蛋白質化学の研究にも有用である。そこで、抗VIP抗体のスクリーニングをした。 男女、年令を問わずに、再採血が可能なヒトの血漿を得た。血漿100μ1を[^<125>I]VIPと1夜、5℃で保った後、ポリエチレングリコールを加えて沈殿を集め、放射活性を測定した。非放射性VIPの添加、無添加での放射活性の差の添加[^<125>I]VIPの放射活性に対する割合(SB値)が5%以上の場合、抗VIP抗体陽性であるとした。 これまで、107名のヒトについて調べたところ、抗VIP抗体陽性なヒトは30人であった。この内、これまで23人の血漿からIgGを調製し、VIP分解活性を調べた。2人の血漿からのIgGは、37℃、19時間後、10-20%のVIPを分解した。このうち、1人の血漿のIgGについて、VIPの切断位置をシーケンサーを用いて調べた。その結果、Ala(18)-Val(19)の間のペプチド結合を切断していることが推定された。 Paul等の報告によれば、抗VIP抗体陽性のヒト(SB値が5%以上)は調べたうちの16-18%であった。そのうちの25%のヒトのIgGがVIP分解能を持っていた。また、SB値は40%ものヒトを報告している。我々の場合、抗VIP陽性のヒトの割合はPaul等より大きかったが、SB値は低く、大きくても20%であった。さらに、VIP分解活性のあるIgGを持つヒトは少なく(6%)、その比活性も低かった。 今後は抗VIP抗体陽性のヒト(残り7名)より、IgGを調製し、VIP分解の有無を検討したい。
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