1993 Fiscal Year Annual Research Report
ウズラにおける生化学的標識遺伝子のリンケージに関する研究
Project/Area Number |
04660298
|
Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
芝田 猛 九州東海大学, 農学部, 助教授 (30140958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 恒夫 九州東海大学, 農学部, 教授 (00184218)
|
Keywords | ウズラ / リンケージ(連鎖) / 血清アルブミン / Gc蛋白 / 電気泳動法 / 多型 / 遺伝子 / 組換え価 |
Research Abstract |
ウズラについて電気泳動法により検出される生化学的多型遺伝子の連鎖関係を明らかにするため実験を行い、次の結果を得た。 1.血清アルブミン(Alb)に低頻度の多型を認めたため、これを増殖してヘテロ型個体を得た。 2.昨年度連鎖を検討したGc蛋白、phosphoglucose isomerase(PGI)、6-phosphogluconate dehydrogenase(PGD)、Esterase-D(Es-D)及びプレアルブミン(Pre-alb)多型座位にアルブミン座位をくわえた6形質について、5〜6座位についてヘテロ型を示す個体とホモ型を示す個体を作成した。 3.二重戻し交配により各形質間の連鎖を検討したところ、血清アルブミン座位とGc蛋白質位間に連鎖を示す結果を得た。4家系63の子孫についてMorton(1955)の対数得点法(lod score method)によりz値を求めたところ15.5を示し、この値はP<0.001で連鎖は有意であった。63の子孫のうち1個体のみが組換え型を示したため、組換え価(recombination fraction:theta)は、0.016±0.011となりこの信頼限界はtheta<0.042と算出された。ヒト、ウマ、ウシ及びヒツジでアルブミン-Gc蛋白座位の連鎖が報告されており、ヒト及びウマで組換え価が算出されている。その値は1〜2%であり、本研究で得られたウズラでの値とよく一致していた。このことは進化の過程で哺乳類と鳥類が分化する以前よりこの連鎖が保存されてきていることを暗示している。 4.以上の結果は、第24回国際動物遺伝学会(プラハ)で報告する予定である。
|